【d!】罠をかけたつもりがかけられた

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私の作戦は、儚く散った。
全てはヘルメット男、ショッピのせいである。


よろしくお願いしますね。と、隣でニコニコしている鬱さんを無視して私に資料を渡してきたのだ。


鬱さんは、俺が持とうか？と声をかけてくれたが、資料持たせんと逃げますよコイツ。とひどい言われようだ。

まぁその通りなんだが。
この何もかも見透かされている感じがまた腹が立つ。



その奥で「図星やったなぁ！」とゲラゲラ笑っているチーノに更に腹が立つ。






『鬱さん早く行きますよ！』
と、鬱さんの腕を雑に引っ張り部屋から出る。


「Aちゃんが2人と仲良うなってくれて嬉しいわ」


あの2人の親かなんかかよと思いつつも、どこか優しい目をしていて、どこか懐かしさも感じた。


『鬱さんは優しいですね』
私は聞こえないように小さな声で呟いた。



「聞こえんかった！なんて言うた？」




何でもないと答えて、私は歩くスピードを少し早めた。





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資料を渡されて、いかにも嫌や〜という顔をする彼女。

ほんまやったらこんな所には、おらんであろうパソコンが得意な普通の女の子。


金髪で長い髪は、どこか儚さを感じて、すぐどこか消えてしまいそうやった。



ショッピくんとチーノとは、年が近く口喧嘩はよくしとるが、仲良うなったみたいで、少し安心した。


居場所がないことは辛いことやから。
いつ逃げようか考えてるらしいけどな笑





『鬱さんは優しいですね』



聞こえてへんフリをしたが、ほんまは聞こえとったんよ。




ほんまは優しくなんてないで。





ごめんな＿＿＿優しいフリさせてや。






Aちゃん。









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