【d!】罠をかけたつもりがかけられた

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今の時刻は、20時前。
ゾムさんと約束の時間だ。


結局、ショッピとチーノには断られた。
言い分はこうだ。
「Aさんから誘ってくるんとか怪しいんでいやです」
「絶対なんかあるやろ〜wwいややーww」

私をなんだと思ってるんだコイツらは。
こんな可愛くて可憐な少女(22)のお誘いを断るだなんて…
鬱さんと資料渡しに行ったんは間違いやったな…鬱さんなら絶対行ってくれたのに…



「あれ？Aちゃんやん。今から食堂？」



ぶつぶつ言いながら歩いていた私に声をかけてきたのは、ニット帽に豚らしきものがついてるシャオロンという男。


『シャオさんも食堂ですか？』


せやねん、と答えてくれたので、私は巻き込み計画を実行する。


『私この時間で食べるの初めてなんですよね、結構みなさんおる感じですか？良かったら一緒に〜…』


「せやね、俺はこの時間が多いわ〜、一緒食べる？ええで」


私の顔に嬉しさが滲み出てたのか、そんな喜ばんでも…言うてくれたらいつでも食べるで、と少し頬を染めながら言うてくれたシャオさん一生囲うと心に決め、いざゾムさんのところへ



「あれシャオロンやーん」


「Aちゃん？！ゾムもおるん？！聞いてないで？！」


やっぱりみんな嫌がる…？


「いいやん、シャオロンも一緒食おうぜぇ」


シャオロンに肩を組んで捕まえてるゾムさん。
必死に逃げようとするシャオさん。
ごめんシャオさん。逃がさない


シャオさんを逃がさまいとゾムさんの反対側からシャオさんの体を捕まえる。
肩は届かないので腰らへんを抑える


「ちょっ、Aちゃん？！」


「Aそれはずるいわ！俺も捕まえて欲しいわー」


「何言うてんねん！エ□小僧！」



このカオスな状況はあと数分続いた。
そして今の状況に至る。






「もう食べられへん…Aちゃん許さへんからな…」


「まだシャオロンいけるやろ〜」
とシャオさんのお皿に唐揚げピラミッドを作っていくゾムさん。見ているだけで吐きそう…



『ゾムさんもうやめて…吐く…吐く…』


「Aもまだいけるやろ〜はい、あーん」


『ゾムさんもう無理だっﾝｸﾞｯ』


口を少し開けば口に食べ物を入れられる。私がいつか夢見ていたイケメンからのあーんでは到底無かったが。

口の中には、先ほど押し込められたチャーハン。横には、ニコニコと次はまだかとチャーハンを準備しているゾムさん。

誰か助けて…と念じながらゾムさんから口を死守するので精一杯だった。

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