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落ちていく少女を、騒ぐことなくぼーっと眺める“‘孫“。
そんな彼が、小さく声を漏らした。
「…“帳“上がっちゃったね。どうする、婆ちゃん?
どっどっどどどどど、どうする?」
「五条悟がおらんに越したことはない。お前は下に降りて術師を殺せ」
何かがおかしい。
そう思ったオガミ婆はジャラ、と数珠を鳴らし“孫“に語りかけた。
「…?孫?」
「… ババァ、誰に命令してんだよ」
今まで閉じられていた彼女の目が、信じられない、というかのようにパッと開かれた。
身の危険を感じ、すぐさま飛び退く。彼女の顔には止まらない冷や汗が流れている。
「どういうことだ…儂はまだ“肉体の情報“しか降ろしておらん!!」
「降ろす…?ああ、そういう…」
こういう事態を防ぐために“魂の情報“は降ろさないと決めているのだ。
なのに、それなのに降りてしまった、?
目の前の男は「“孫“の魂が自分の特別な肉体に勝てなかった」と言っているが、魂が肉体に負ける、なんてそんなことあり得ない。
目の前の状況が信じられなくて、冷や汗が止まらない中。前の男が拳を振り上げる。
「術師は殺せか…テメェも術師だろ」
「まっ…!」
次の瞬間、彼女がいつも音を立てていた数珠が、赤い血と共に地面へと落下した。
防ぐ瞬間も、止める瞬間も。
そんなもの、どこにもなかった。
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なんなん(プロフ) - 杏莉さん» ほんとうですか………めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます泣!!!! (2021年3月12日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
杏莉 - ふわああああ! 面白いですっ! 更新楽しみにしていますね! (2021年3月12日 18時) (レス) id: 8bbf1cd05e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんなん | 作成日時:2021年3月4日 16時