第百十六訓 ページ18
Aside
神威「でもその傷じゃ…俺は
トントンっと自分の肩を指差す神威の行動に、釣られて銀時を見上げる。
「その…傷…」
わかりづらい黒のコートを色濃く染めるものに息を呑んだ。その傷はいつできたのか、出血量が多く徐々に広がる。まさか神威にやられた時に?
神威「力尽くで奪ってもいいんだ。…不死蝶を」
銀時「……不死蝶だァ?」
神威「今のアンタじゃ」
銀時「!!」
神威「ほら、すぐに奪われる」
銀時の目の前から神威が残像を残し消える。咄嗟に私を押しのけ振り返った銀時。彼の腹に、神威の拳が音を立ててめり込んだ。嗚咽混じりの声を上げた銀時が、地面を滑る。ふらつく体を木刀で何とか支えていた。
「銀時ッッ!?」
銀時「くんなァ!!!」
「ッ」
駆け出そうとする私を制する強い声に、足が止まる。口の鉄臭さを地面に吐き出した銀時が神威を鋭い眼光で睨みつけた。
神威「アンタが来なくてもどうせ"今"は逃してあげたのにさ」
銀時「あぁ!?なにさっきから訳のわからねェ事ぬかしてんだ」
神威「わざわざ殺されに来たなんて愚かだって意味だよ」
ダメだ…銀時が押されてる。脳裏に神威が天人をなぶり殺す瞬間が映って私は咄嗟に神威の腕を掴んだ。
「もう十分でしょ!?なんでこんなことッ。私を逃すのが目的なら銀時にこれ以上乱暴な真似をするのはやめ…ッ」
神威「勘違いするなよ。俺はそいつみたいに善意や好意でアンタを助ける訳じゃない」
初めて聞いた…神威の冷めた声に目を大きく開く。
神威「周りの奴らが喉から手が出るほど欲する不死蝶に興味が湧いただけ。"死ぬ事も老いる事もない"そんなアンタを手に入れたくなった。他の連中と同じだよ、俺も」
──銀時「好き勝手…言ってんじゃねェェェェェエ!!!!」
私の前に飛び出した銀時が木刀を神威に振り下ろす。金属音を鳴らした。
神威「おっと。…そう来なくっちゃね」
銀時「コイツはてめェの
叫ぶ銀時が、何度も何度も神威に切り込む。銀時の姿に目頭が熱くなった。
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時