銀魂 【不死蝶の舞姫】3

第百十ニ訓 ページ14

Aside






あなたはだれ

…落ち着いて





いや、やめて…ｯ

…ゆっくり、ゆっくり





怖い…怖いの…ｯ

…何も怖くない。大丈夫だから




私は…誰、なの？

…人とは少し違うだけ、俺と同じだよ。大丈夫、怖くない。さ、はいて…ゆっくり吸って…




───っっ！！

「ッッ！げっほげっほ…ｯ」


急激な酸素の取り込みで苦しさが押し寄せ、咽せ込んだ。肩を上下し、何度も肺に沢山の酸素を取り込む。




？「どう？落ち着いた？」




苦しさに耐えながら見上げれば私を見てにっこりと笑みを浮かべる先程の青年が居た。
そうか私…息してなかったんだ…。


突然見てた光景。もう何も見えないのに今でも頭にﾁﾘﾝ…ﾁﾘﾝ…と音がする気がする。





？「急に呼吸がおかしくなって驚いたよ」




この子が…落ち着かせくれたんだ




(……何だか、優しい声だった気がする)

目の前でニコニコと笑う不思議な青年。




「君…なんて名前なの？」

？「不死蝶さんは面白いね…俺の名前なんてどうでもよくない？まぁ、いいや」





「神威。それが俺の名前」と教えてくれた。そして神威が続けた言葉に唖然とする





神威「不死蝶ってさ伝説のとかそいゆう類の存在なんだよね」

「……は？」




不死蝶が伝説…？神威が一体何を言っているのか意味がわからなくて首を傾げると、くすりと笑みをこぼす。





神威「不死蝶の由縁はそのまま…"不死身"。つまり死なない」

「……死な…ない…？」

神威「そんな経験ない？死ぬかもって思ったのに…生きてたとか」




彼の言葉に心臓が嫌な音を立てる。ドクドクとうるさくて、「不死蝶さんはわかりやすいね」と笑われる。

ないと言いたかった。けど、言えなかった。
だって私は…──確かに死んでるから。

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