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『敬語を外して話しませんか…！』
電話の向こうから聞こえるのは、彼女の緊張した震え声。
『えっ、と、一応恋人同士なので、敬語を使うのはどうかと思って…』
「…確かにそうっすね」
Aさんの言う通り、恋人同士で敬語を使うのには違和感がある。
ただそんな理由を並べなくても、恋人からの初めてのお願いにNOと答える男がどこにいる？
「そうっすね…。じゃあ、こんな感じでええ？」
そう言ってみると、『え…好き…』と返される。
この感じからして、多分こう言ってんの気付いてないんやろなぁ…。
こんな風に、普段のクールな印象と違った抜けてる面がたまらなく愛おしい。思わず頬が緩んだところで、俺からもAさんに敬語を外して話して欲しいと伝えると、『頑張ります…』と返ってきた。
「それで、Aさんは何してたん？」
『テレビ見ながらくつろいでた…かな。藤堂さんは何してたの…？』
予想はしていたけれど、思わず固まってしまう。
何故なら俺の目の前にあるのは、撮影した動画を編集しているパソコンの画面。実況動画の編集してましたなんて、口が裂けても言えない。
恋人に隠し事をするのは胸が痛むが、これだけは許して欲しい。
「…そうやな、俺もテレビ見てた」
『えっ、藤堂さんってテレビ見るの！？』
「俺を何やと思ってんの…」
『テレビに興味ないもんだと思ってたから…』
Aさんの中での俺ってどうなってんの…。
それからしばらく会話が続いていた時、不意に、Aさんが俺を“ショッピ”と呼んでいることを思い出す。
ゾムさんが俺の事“ショッピ”って呼んでたのどっかで聞いてた…？ それとも
うーん、と頭を悩ませていると、いつもの流れでベランダに行って煙草に火をつける。その音に気付いたのかAさんは『煙草？』と聞いてきた。
「あ、ごめん。つい癖で。嫌やんな」
火をつけたばかりの煙草を灰皿に持っていこうとすると、『嫌じゃないっ…！』と言うAさん。
『私、藤堂さんが煙草吸ってるとこ見るの好き…』
電話だから音しか聞こえないけど…、と、段々小さくなっていく声に口元が緩む。
と、同時に、ふと昔の記憶が頭をよぎる。入社したての頃、喫煙室でショートピースを吸っていた時にAさんを見かけた事がある。
…あぁ、だから。
「…それじゃ、お言葉に甘えて」
『ふふっ。どうぞ心置きなく』
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なゆり(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！そう言っていただける事が本当に励みです…！！次の作品でもよろしくお願いします。 (2020年1月27日 4時) (
レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 完結おめでとうございます！！遅くても次の作品も楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2020年1月26日 23時) (レス) id: 06469c67db (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - 紫紅兎さん» 臓器破裂！？笑 私の方こそ拙い作品ですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつしか書いていけませんが、これからも読んで頂けると嬉しいです！ (2020年1月19日 6時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
紫紅兎(プロフ) - あぁぁぁぁぁ臓器破裂しますぅぅぅぅぅえ、もうこの作品作ってくれてありがとうございます…私はもう逝きます…更新頑張って下さいね… (2020年1月18日 23時) (レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - さとう。さん» さとうさん、ありがとうございます！そう言って頂けて、本当に嬉しいです…；； こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月16日 5時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆり | 作成日時：2019年9月17日 21時
