ろっこめ。 ページ6
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昼食の片付けを終え、今度は掃除に移った。
幹部しか立ち入ることのできない六階からが私の担当。私以外の使用人は勿論いるが、六階から立ち入りを許されてはいない。その為、掃除も一苦労。
「あともうすぐ…」
果てしなく続く長い廊下を見て、はぁ、とため息をついた。あともう一踏ん張り。
そう思い腕時計を確認すると、短針は二を指していた。
…あ、終わった。
絶望の中、下の階へと続く階段を眺めていると。
「おい、待てやシャオロン! 朝の借り、まだお前に返してないねん!」
「そんなん返さんでええわ! 訓練ならもう終わったんやから、もう諦めろって!!」
コネシマ様とシャオロン様の言い合いの声が聞こえてきた。
そう。午後二時はお二人がちょうど訓練を終える時間帯。
訓練で手合わせをしていた二人は、決着が付かないので、こうした場外で決着を付けようとするのだが。
「おいコラ避けんなコネシマ!」
「そっちこそ避けんなよシャオロン!」
今回の武器はペイントボールのハンドガンタイプらしく、お互いが発砲する度にペイントが掃除したばかりの壁や床につく。
これが六個目の悩み事。
コネシマ様とシャオロン様の乱闘。ついこの間も、訓練場以外での乱闘はやめてと頼んだばかりなのに。
何でここの幹部の方々は話を聞かないの?
コネシマ様とシャオロン様は戦うのに夢中で、私に気づいていないらしい。仕方なく、汚れたところからまた掃除をしていると、シャオロン様の流れ弾(ペイント)が頬についた。
それに気づいたのか、途端に顔が真っ青になり始め、動かなくなるシャオロン様。
「こ、こねっ、コネシマ…! 後ろ、後ろ…!!」
「何わけわからんこと言うてんねん! お前の負けや、シャオロン…!」
それにチャンスだと思ったコネシマ様がシャオロン様に銃口を向け、発砲しようとした寸前で止めた。
そして、コネシマ様の肩に手を置くと、分かりやすいぐらいビクッとなった。
「楽しそうですねぇ。私も出来る事ならしてみたいです」
そう言うと、コネシマ様とシャオロン様の口からは「いや、あの、」とだけ漏れた。必死に言い訳の言葉を探しているらしいが、問答無用。
「A! 一旦落ち着こう! なっ!!」
「せ、せや! 一旦落ち着い……」
「後片付け、出来ますよね?」
その後、Aの監視の下、掃除をしているコネシマとシャオロンを見た幹部がいるとかいないとか。
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ライク - んおおおおおお!すききききききききききききききききききききききききき (2019年10月3日 23時) (レス) id: c1d37a3d16 (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - レンマさん» レンマさん、初めまして! お気遣いありがとうございます…! そう言って頂けて本当に嬉しいです。次回作は今、話を練ってる途中なのでもうしばらく待っててください、笑 今後ともよろしくお願いします! (2019年9月18日 17時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
レンマ - 次の話を楽しみにしながら読ませてもらいました! 次回作も勿論とッッッても楽しみに待ってますからね!! 体調など崩さないようお気をつけて下さい、応援しています。 (2019年9月17日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なゆり | 作成日時:2019年8月30日 21時