其ノ肆拾壱 蛇柱との任務 ページ42
「つ、着いた…」
「…来たか」
戌の刻になる少し前、私が錆兎と真菰を連れてお屋敷へ向かうと、既に門の前で伊黒さんが立っていた。
お屋敷の場所は、あの後不死川さんに教えてもらい、なんとか辿り着くことが出来た。
…伊黒さんと不死川さんって仲良いんだっけ?
そんなことは兎に角、伊黒さんに挨拶をして、今夜の任務について訊ねた。
今回は、二ヶ所に居る鬼を討伐するらしい。
彼は私に言うことだけ言うと、直ぐに駆け出して行った。
私は伊黒さんの後ろを追いかけつつ、後ろにいる二人を見る。
伊黒さんは柱なだけあって、足が速い。
私は常中を幼い頃から使っているから、置いて行かれることは無いとは思う。
しかし、錆兎と真菰は常中を習得してからまだ一、二年程しか経っていないので、置いて行かれないか心配だった。
…でも、どうやらそれは杞憂だったみたい。
後ろから少し必死そうだけど、ちゃんとついて来ている。
私は再び前を向いて、伊黒さんの背中を追った。
「…此処だ」
ふと伊黒さんが立ち止まった場所は森の中。
麓には小さな村が見える。
「既に森から帰る途中に村人が一人殺されているようだ」
既に被害者がいるのか…。
森は広過ぎるので、二手に分かれて探すことにした。
…というか、今更だけど、分かれたら錆兎と真菰のこと見せれないんじゃ…。
一瞬、そんなことが頭を過ったが、悪鬼が居るかもしれないし、そんなことを考えている場合じゃないと慌ててその考えを頭の奥にしまった。
「A、何か感じられるか?」
「…ううん。空気は澄んでるから、この辺には居ないみたい。でも、村も妙に静かなのが不思議…」
「もしかして、村に降りた、とか…?」
真菰にそう言われて、はっとした。
森に出たからといって、森にしか居ないわけじゃない!
人間を喰うために村へ降りた可能性だってある。
否、その可能性の方が高い。
「鎹鴉さん!伊黒さんに村へ降りると伝えて!」
鎹鴉が羽ばたいたのを目の端で見えた。
私達は急いで村へと降りて行った。
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抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - あやめさん» 嬉しいです!1ヶ月近く更新出来ずにすみません…。早く新しい話を読んで頂けるように頑張ります!コメントありがとうございました! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - とても面白かったです!これからもがんばってください!更新お願いします!!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - (=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢さん» はじめまして!型の提案ありがとうございます!とても良いですね!是非採用させてください!説明もつけて頂きありがとうございます! (2020年4月15日 8時) (レス) id: 606e94aca2 (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢(プロフ) - はじめまして。型のことですが、「巻雲・天波虹」けんうん、あまはにじ というのはどうでしょう?説明半円を描くように何回も切る。それは相手には遅く見えるが、実際はものすごい勢いで切りつけている…的な。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: ed1bcccac4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - チョコさん» 了解です!返信ありがとうございます! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鷹麦 | 作成日時:2019年12月21日 19時