其ノ参 平和な時間が壊れる時 ページ4
皆んなで食卓を囲んで夕食を楽しんでいた。
すると、庭の方から何か空気が変わった。
背筋が凍るような空気に、思わず強張る。
お父様も気づいたようで、側に置いていた刀を手に取った。
お母様も、私を抱きしめる。
お母様は、そっと私に耳打ちした。
「A、今から言うことを聞きなさい。
まず、この羽織を着て、お父様の部屋から使われていない日輪刀を取りなさい。
そして、そっと裏口から出て、草履を履き、お父様の鎹鴉と共に藤襲山の方へと走りるの。
其処の近くに“精霊ノ棲ミ家”と云う、昔私が暮らしていた家があるわ。決して振り向いては駄目よ」
その瞬間、二人が何をしようとしているのか分かってしまった。
思わず、首を横に振る。
嫌だ…!二人を置いて、私だけ助かるなんて…!
「A、逃げなさい。私達は貴女が何よりも大事なの。いい?ちゃんと最後まで聴いて?その後、耀哉伯父様の所に鎹鴉を飛ばしなさい。分かった?」
そこまで言われてしまい、思わずお父様を見ると、お父様もゆっくり頷いて言った。
「どうか生き延びてくれ、A」
こうなったら仕方がないと思い、言われた通りお母様の羽織を着て、お父様の部屋で日輪刀を取り音を立てないように裏口から出て、鎹鴉と共に走った。
次の瞬間、私は背後から爆発音を聞いた後、爆風に背中を押されてよろめいた。
お母様の話をすっかり忘れて、思わず後ろを振り向いてしまった。
其処には、“鬼”が宙に浮いていた。
片目には“上弦”の文字、反対の目は閉じていて分からなかった。
上弦の鬼を見た瞬間、今までの記憶とは違う記憶が沢山入ってきた。
ん?上弦の鬼?鬼滅隊…?!
「これって…鬼滅の刃じゃん?!?!」
これが、私、Aの鬼滅ライフの始まりだった。
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抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - あやめさん» 嬉しいです!1ヶ月近く更新出来ずにすみません…。早く新しい話を読んで頂けるように頑張ります!コメントありがとうございました! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - とても面白かったです!これからもがんばってください!更新お願いします!!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - (=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢さん» はじめまして!型の提案ありがとうございます!とても良いですね!是非採用させてください!説明もつけて頂きありがとうございます! (2020年4月15日 8時) (レス) id: 606e94aca2 (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢(プロフ) - はじめまして。型のことですが、「巻雲・天波虹」けんうん、あまはにじ というのはどうでしょう?説明半円を描くように何回も切る。それは相手には遅く見えるが、実際はものすごい勢いで切りつけている…的な。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: ed1bcccac4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - チョコさん» 了解です!返信ありがとうございます! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鷹麦 | 作成日時:2019年12月21日 19時