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其ノ弐拾参 花柱と上弦の弐と空の呼吸と ページ24

sideカナエ

「花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬」


「わぁ、花の呼吸かぁ!君にぴったりだね。綺麗だよ!」


もうどのくらい刀を振っているだろうか。
村に響くのは、私の刀と彼の扇がぶつかり合う金属音と、彼の話し声。
彼は話しながら私の攻撃を防ぐばかりで、攻撃してこない。
少し嫌な予感をしながら、ひたすら彼の話を無視して、攻撃を繰り返す。


「うーん…何も反応がないと、俺も困っちゃうなぁ」


その瞬間、彼は扇で私の刀を弾いた後、扇を横に振るった。
突然の行動に反応できなかった。
彼から距離をとったけれど、お腹からは血がどくどくと流れ出ているのが、嫌でも分かった。


「そろそろ留めを刺さないと、朝日が昇っちゃうね。
血鬼術 蔓蓮華(つるれんげ)


彼が此処で初めて出した血鬼術の氷の蔓が此方に向かって来た。
刀で防ごうとしたけれど、刀を振いすぎたのか刃こぼれした刀はパキリという音と共に折れてしまった。
更に距離をとるけれど、蔓は伸びてくる。
私は死を覚悟して、目を閉じた。


「空の呼吸 壱の型 雨脚斬り」


数ヶ月ぶりに聞いた、幼さが残る声と共に何かが大量に砕ける音がした。
目をそっと開けると、其処には見覚えのある三人が私の前に立っていた。


「おやおや?君達は…鬼殺隊じゃないね?」


「そうだよ。はじめまして、上弦の鬼さん。私は…宇原陽月」


「俺は童磨。陽月ちゃんか。可愛いね!君も喰いたいな」


ふわりと髪を靡かせて立つAちゃんは、柱合会議の時とは全く違って見えて、あの時よりずっと大人びていて、何故か安心した。
その両隣に立っている錆兎君と真菰ちゃんも殺気立っていて、嗚呼、本当に人間の心を持っているんだと思った。


「ごめんね、童磨さん。私、まだ長生きしたいの。だから、喰われるつもりなんて毛頭ない」


「そりゃあ残念だなぁ。…血鬼術 冬ざれ氷柱」


Aちゃん達の上に沢山の氷柱が現れて、Aちゃん達に降り注いだ。


「Aちゃん!!錆兎君!!真菰ちゃん!!」


私の叫び声は、氷柱の落ちる音に掻き消された。

其ノ弐拾肆 決着と涙→←其ノ弐拾弐 上弦の弐との遭遇



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設定タグ:鬼滅の刃 , アニメぶっ壊れ , チート   
作品ジャンル:アニメ
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抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - あやめさん» 嬉しいです!1ヶ月近く更新出来ずにすみません…。早く新しい話を読んで頂けるように頑張ります!コメントありがとうございました! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - とても面白かったです!これからもがんばってください!更新お願いします!!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - (=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢さん» はじめまして!型の提案ありがとうございます!とても良いですね!是非採用させてください!説明もつけて頂きありがとうございます! (2020年4月15日 8時) (レス) id: 606e94aca2 (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢(プロフ) - はじめまして。型のことですが、「巻雲・天波虹」けんうん、あまはにじ というのはどうでしょう?説明半円を描くように何回も切る。それは相手には遅く見えるが、実際はものすごい勢いで切りつけている…的な。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: ed1bcccac4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - チョコさん» 了解です!返信ありがとうございます! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鷹麦 | 作成日時:2019年12月21日 19時

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