序章 ページ26
夕方、少し涼しくなってからまた散歩に繰り出す。
夕焼けはとにかくキレイ。
水平線に沈んでいく太陽をスマホにおさめて、日本に帰ってもいつでも見れるようにした。
「明日はちょっと遠出してみる？」
『うん！』
「ほなメシ行こー。」
『どこ行くの？』
「今日は魚介類♪」
『おー、、』
初めて来たとは思えないくらい迷わず道を進んで、
『わ、、キレイ！』
夕日が見渡せるレストランに連れてきてくれた。
『章大くん迷わないの？』
「何が？」
『道だよ。ここ初めてだよね？』
「あー、道な、初めてやで(笑)？」
『分かるの？』
「俺迷ったらA不安なるやんか(笑)」
『、、そうだけど、、』
魚介のリゾットを堪能しながら、そんなことを話す。
「こらからの人生もそうやで？」
『、、？』
「Aを不安にさせたりせえへん。」
『、、うん。』
章大くんがスプーンを置いて、私を見つめながらそう言う。
「めっちゃ幸せにしたるし！」
『うん(笑)！』
「この新婚旅行は序章。」
『序章？』
「そ！最高に幸せ感じてもらってぇ、、」
日本に戻ってもその幸せを継続していくのが俺の人生の目標やねん♪
って、、
『、、十分幸せだよ？』
こんな幸せなお嫁さんどこにもいないよ、、
「それはさ、俺の人生最後の日に聞かしてよ？」
『、、』
「俺が死ぬ直前に教えて(笑)？」
『私も一緒に、、』
「俺が逝ってからやったらいつでもええけど、、」
俺が死ぬまでは生きとって、って、まだまだ人生長いのにもうそんなこと言ってくる。
『やめてよ、哀しくなっちゃう、、』
「待ってるし。」
『、、』
「知ってる？仏さんって、三回忌まで現世におれんねんで？」
『、、へ？』
「やから！俺は死んでも三回忌まではAのそばにおれんねん(笑)」
『、、』
初七日から始まり、49日、一回忌、三回忌とあの世からお迎えが来るんだけど、現世にいたかったらいてもいいんだって。
『ねぇ、どこでそんな事知るの(笑)？』
その情報源を知りたい。
「三年経ってもAが元気やったら無理やり連れていくねん。」
なんて、シュールにポップに話してる。
『、、うん、、そうして欲しい(笑)』
「、、ほんまに？」
『うん！だって、、』
章大くんのいない生活なんて考えられないもん。
「、、ほんなら、翌日にでも連れて行こか？」
『あ、うん！それがいい！』
「分かった！ほなそうする！」
『うん！』
ギリシャのキレイな夕日は、死期の会話もロマンチックにしてくれるみたいだ。
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ゆ - めちゃくちゃ面白かったです！！なんで自分はテスト期間にこの神作品と出会ってしまったんだろう、、と読んでいる間ずっと思ってました笑 (2022年10月7日 22時) (
レス) @page50 id: 0983414f21 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - あと、前半の方ですが、2箇所くらい名前が「ひより」になってました！ (2022年3月3日 12時) (レス) id: c8b64566cd (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 読ませていただきました！ちょっとヤスくんが本物よりブラックな感じはしましたけど笑（お話なのでそうですよねアンチじゃないです）、面白かったです！あだっ、っていうのは痛っていう関西弁なんですかね…笑 あだって初めて聞いたもので…笑 面白かったです (2022年3月3日 12時) (レス) @page17 id: c8b64566cd (このIDを非表示/違反報告)
Mari(プロフ) - 久しぶりにひよりんさんの作品読み直して何度読んでも好きな作品です。 (2021年9月20日 15時) (レス) id: 0a5a3ede14 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ふみさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！最近は滞ってますが、再開に向けて頑張ります！ (2020年9月10日 7時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよりん
| 作成日時：2019年6月12日 20時
