溺愛彼氏 (青)

負担 ページ20

(あ、Aちゃんだった(笑)！)

(ちょっとー、からかっちゃダメだってー(笑))

携帯に出た女の人の後ろで違う女の人の声が聞こえる。

他にも人がいるみたいでザワザワしてる。
お店かな、、

『あの、、安田さんの携帯じゃ、、』

(あー、章大は今コンビニ行ってます♪)

『、、じゃあ結構です、、すみませ、、』

(あのねぇ、、)

『はい、、』

切ろうとしたら、女の人がため息つきながら、先生が話すみたいな感じで、

(章大ね、あなたと会うために毎日遅くまで残業して、土日祝も出勤してるのね？)

『はい、、』

明日も出勤して、金曜日早く帰った分の仕事するって。

(こんなダサいイチゴのキーホルダーとか付けちゃって、、)

きっと携帯のそばにキーチェーンもあるんだろうな、、

安田さんはいつもテーブルに携帯と財布とキーチェーンを置いてるから。

(このままじゃ、章大倒れちゃうから、、)

ちょっと会うの控えてくれないか、って。

『、、安田さんが言ってたんですか？』

だって、いつも楽しみにしてたって、、

(今日も疲れた顔で来てさ、、)

美味しそうにお酒飲んでたよ？って。

『あの、、』

(という事で、もう会わないでね？よろしくね？)

『あ、、っ！』

ﾌﾟｰﾌﾟｰﾌﾟｰ、、、

切れちゃった。

『、、ｸﾞｽｯ(泣)』

私は、いつもニコニコしてる安田さんしか知らなくて、
金曜日のために他の日に残業してるなんて知らなくて、
明日の日曜日、私はお昼近くまで寝るつもりだったけど、安田さんはお仕事するんだよね、、

『負担でしかないじゃん、、(泣)』

あの女の人は誰だか分からないけど、安田さんのしんどい部分を見て支えてあげられる人なんだろう。

いつもあの人達と集まってお酒飲んで楽しんで、日頃のストレスを発散できる彼の本当の居場所なんだろうな、、

『、、寝よ。』

と言って寝れるわけでもなく、眠りに付けたのは朝方4時で、結局11時過ぎまで寝てた。

少しだけ期待してた安田さんからのLINEや着信は全くなくて、昨日の女の人が言ってたことは本当なのかな、ってちゃんと自覚し始めた。

父「どうした？」

『何が？』

お父さんが心配そうに見てる。
けど、それはスルーして、

『おばあちゃん？』

祖母「ん？」

『Chloeのパディントンがいい。』

祖母「、、A、、」

安田さんは諦めよう。
また会ってくれたとしても、彼がまたしんどくなるだけだ。

『約束だからね！』

無理やり作った笑顔は自分でも分かるくらい引きつってた。

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