(heroine side)気分 ページ12
その彼が今、ベンチに座って空を仰いでて、
『、、あの、、』
彼が儚くて、消えてしまいそうで、
私は人見知りなのを忘れて、衝動的に彼に声をかけた。
そしたら、
"話しかけんといて欲しいんやけど？"
"喋りかけんなや"
さっきまでの穏やかな表情からは想像できないほど冷たい声で一喝された。
帰ろうとする彼の背中を見送ってたら、
『あ、、あの、待って(汗)』
彼が何か落としたみたい。
伝えようとしたけど、すっかり怒らせてしまったから聞いてもらえなかった。
彼が立ち去ったあと、落としものを拾ったら、
『可愛い、、』
華奢なリングで、それを通してたチェーンは切れてしまってた。
きっと大事なものだ。
毎日ここにいたら、いつか探しに来るだろうな。
私はそれをジーパンのポケットにしまって、お店に戻った。
翌日、
「拾ったんやろ？はよ、返せや。」
昨日よりも機嫌は悪い。
慌てて彼にリングを返したら、
「、、ありがとー。」
まさかのお礼に嬉しくなって、
舞い上がった私は、
『もしかしたら大切な人を亡くしたんじゃないですか？』
って、非常識な言葉を発してしまった。
だって、もし私と同じ境遇なら励まし合えるかもしれない、って思ったから。
でも、ここから彼は豹変した。
芸能人だと言う彼は、とびきり素敵な笑顔で、私に飲み物が欲しいと言ってきた。
私はこの時点で、彼の思惑が分かった。
分かった上でお店に入れた。
案の定、メチャクチャにされて、
メールで呼び出すから来いって、携帯に彼のアドレスと番号を入力されて、
「ほな、帰るわ。」
って、あっさり帰っていった。
でも、行かなかった。
遊びなんてごめんだ。
ましてや遅れたら門前払いだなんて。
メールは来てたけど、ずっと無視してたら、
「何で来ーへんの？」
って私に向ける言葉が、数ヵ月前より少し柔らかくなった気がした。
最初彼に感じたのは、ダリアの"不安定"
怒ったり駄々こねたり忙しい。
やんわり断ってたら、営業中なのに押し倒してくるから、仕方なく今度呼ばれたら行くって了承した。
結局最後に感じたのはゆりの"虚栄心"
「コロシタロカ。」
って言われたけど、その言い方が可愛くて思わず笑ってしまった。
私は、久しぶりのドキドキに調子に乗って、
数日後に呼び出された時、お出掛け用のワンピースに髪をまとめて急いで行ったけど、、
彼は、私より一足早く来た女の子を部屋に入れた。
この日は、私を抱きたい気分じゃなかったみたいだ。
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まるなす - ひよりんさんの小説好きです。これからも楽しみに待ってますね。 (2019年9月21日 20時) (
レス) id: e561b9b5e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 応援ありがとうございます！頑張りますっ(￣▽￣)ゞ (2018年1月8日 23時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - こちらこそありがとうです!!実はこれにのめり込んだきっかけが追い恋で… 追い恋を読み始めて直ぐひよりんさんのファンになりました(笑)勝手なんですがこれからも応援しています！ (2018年1月6日 0時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 全部読んでくれたんですか！？ありがとうございます(σ≧▽≦)σ頑張ります！！ (2018年1月5日 21時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - 一気に読んだんですが…めっちゃ泣きました！！今でも泣いてます(笑)あと、ひよりんさんの小説、全部読ませて戴いたんですが、全部いい話で、、全部泣きました。。。(苦笑)頑張ってください！ (2018年1月4日 23時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよりん
| 作成日時：2017年9月26日 23時
