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第十五話 ページ17

ひっぱって、起こして、少しでも動いてほしかった。

でも、お兄ちゃんは動かない。

だらんと力の抜けた冷たい手が、そこにあるだけ。


……


なんともいえない気持ちが僕を襲ってくる。

いろんなことがよみがえってくる。


大人たちにたくさん嫌がらせをさせられたこと。

白い大きな部屋でいたいことをたくさんしてきたこと。

おねえちゃんの、さいごの顔。

ひとりでじめじめした暗いところにいた時に、この人がやってきて

自分の服を渡してくれたこと。

あの瓦礫の山の中で、ひとりでどうやっていったらいいのかわからない気持ちを抱えて、

ひとりでいた僕を、あそこからつれだしてくれたこと。

ぱんもわけてくれた。

ずっと抱っこしてくれた。

ずっと手を離さないでいてくれた。

いつも、僕の前をいって、僕を連れて行ってくれた。

僕が怖くて、足がすくんで、動けなくなっても、戻ってきてくれた。

あのトンネルの中で、僕、あったかい気持ちになって、このひとのこともっと知りたいって思った。


「……いやだよ、ねぇ、」

めのまえが涙でぐちゃぐちゃになる。

またひとりになるの?

僕まだ小さいのに、小さい子はみんなに大事にされてるのに、

なんで僕だけこんなにひどい目に合うの?

僕が何かしたの?

なんでみんな僕を嫌うの……



その時、遠くのほうからがさっと音がした。

僕はとっさに、おにいちゃんの前に立つ。

おにいちゃんがくれたこのきらきら光るやつに手をあてて、体をひきしめる。

どうやら来てるのは、複数人だ。

お兄ちゃんと一緒に出てきたかみあたまのやつと、

緑色の服を着たやつと、あともう一人…なにか、しゃべるみたいなにおいがする。

それと消毒臭い奴。


おにいちゃんがうごけないいま、僕がおにいちゃんを守らなきゃ。

おにいちゃんのことは奪わせないし、僕が守る。

僕、もう一人になるの嫌だ!!!



がさがさと茂みの中から出てきた彼らを前にきらきらに手をかける。

rbr「あんさーん、遅くなってすまんわー」


すたすたと入ってくる。

僕らは奥のほうにいるから、多分暗くてあっちからは見えてない。

これをうまく使って、なにかしようってもんなら切ってやる…!


ふーっ、ふーっと息が緊張で切れる。

ぎり、と自分の歯を強く食いしばって構えた。


zm「…………まて、ロボロ」

rbr「ん?」

緑色のやつがこっちにきがついた。

やっぱり、僕に守れるのか?

こんなつよそうな気配がする人に、勝てるのかな。

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Masatoサブ@3(プロフ) - シンジンさん» ありがとうございます!亀更新&また垢消えた泣ですが頑張ります! (2023年1月6日 9時) (レス) id: e70ef9156d (このIDを非表示/違反報告)
シンジン - めっちゃ面白いです!!!!応援してます (2023年1月4日 20時) (レス) @page47 id: 46a033504b (このIDを非表示/違反報告)
優斗 - こあさん» ありがとうございます…うぉおぉぉおおやさっささっさっすぃいいぃぃい(深夜テンション (2022年12月18日 0時) (レス) id: e70ef9156d (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - ストーリー性が面白いから見てますね! (ハート押しときます!) (2022年12月18日 0時) (レス) @page46 id: b820e4a724 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 君でしたねこれは失礼(( (2022年12月4日 17時) (レス) id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:優斗_1128 | 作成日時:2022年9月24日 8時

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