【3年A組】過去から現在,そして未来へ2【男主】

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『 うるせぇ 』

「 ｯ 」


全員が静かになるのがわかった.
ちょっと目付きが悪かったのか,女子勢にビビられたけど仕方ない.


『 今回の事件は警察じゃ加害者を特定できない. だから世間を使って炙り出す必要がある. 大勢の人間に興味を持ってもらう為に柊は立て篭もったのさ 』

佑香「 警察でも無理って,どういうこと? 」


1人が喋り出すとピーチクパーチクと騒ぎ出すクラスメイト.
なんだコイツら,赤ん坊かよ.
1人が泣き出すと連鎖して泣き出す,大して変わりない.


『 時間がないんだ! 柊は,不知の病で,もう…長くは生きられないんだよ 』

香帆「 それって死ぬってこと…? 」

『 あぁ.だから柊は…いや,一颯兄さんは,最後の授業をしようと決めたらしい. 俺達が大人になる前に,何が大切で,何を守らなければならないのか, 』


一颯兄さんの言葉を思い出すと柄にも無く涙が溢れそうになった.
俺が捉え違えたあの人の言葉,でもそれが無かったら俺は今こうしてコイツらに話すことはできてない.


海斗「 その言葉を聞いて,分かった気がしたんだ. なんで先生があんな真剣に,俺達と向き合うとしていたのか 」

『 直接何か言われなくても,誰かに向けた言葉が自分へ言われてる感じはなかった? 』

隼人「 …A, 」

『 お前は後 』

隼人「 なっ, 」

『 後でたっくさん話聞いて,その分殴ってやるから 』

隼人「 ……あぁ 」


何か言おうとした隼人を止めて溢れ出す涙を拭っていると蓮が俺の頭に優しく手を置いて瑠奈へと預けた.


蓮「 Aの事,頼むな 」

瑠奈「 うん,わかってる 」

蓮「 Aも…わかりやすく言ってくれてありがとな. ここからは俺の気持ちなんだけどさ,景山の真相が何なのかは分かんない,でも,今ここで向き合わなきゃ一生変わんねぇんじゃねぇかって 」

涼音「 蓮…A… 」


蓮の言葉には重みがある.
ずっと関係ないと思って一颯兄さんに反抗していたから,向き合おうとしたアイツの言葉は,とても重い.

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