【3年A組】過去から現在,そして未来へ【男主】

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-堀部瑠奈side-


銃声が響いて,クラスメイトを失うのは3人目,
好きな人を,大好きな人を失うのは初めて.
そんな3月2日,卒業まであと,8日の日.
その時脚が無意識に動いて前にいた男子を押し退けて倒れそうなA君を支えた.


「 A君ｯ! 〜ｯ,ねぇAｯ! なんで!? なんで…最後謝ったの!? 」

『 …おれの,せいで…るな,傷ついたろ…? 』

「 そんなの…そんなの気にしてないよ!? Aと笑って過ごせるならそんなの気にしないよｯ! 」

『 はっ,あいかわらず,優しい…なぁ… 』

「 …A!? いや,Aｯ! 」

涼音「 …ぁ…ぃ,ゃ…いやぁあぁああああああああああああああぁぁぁｯ! 」


目を閉じたA君を揺すっても反応はしてくれず胸元から昨日の様にただ赤い液体が流れるだけ.
水越さんの悲鳴が静かな教室に響く.
それが余計に私の胸を痛くさせて涙を溢れさせて.


唯月「 …なんで,なんで本当は自分だって名乗らなかったの!? ねぇ!? 香帆ｯ! 」

隼人「 …んだよそれ…本物は宇佐美だったってことか!? 」

唯月「 そうだって言ってんでしょ!? なぁｯ! なんか言えよｯ! 」

香帆「 …ｯ,…ざまぁ, 」

唯月「 は? 」

香帆「 ざまぁみろｯ! 私はただ自分のカーストの為につき合っただけなのに! マジになったのが悪いんじゃん! 」


昔よくやった恋人繋をした状態でA君の胸を借りて涙を流すことしか私はできない.
だって最後まで彼女だったのは宇佐美さんだ.
他人の私に言えることなんて無い.
でも,私だって頑張るって約束した.
ちゃんとA君の元へ戻れるように.


「 …そのた…に… 」

沙良「 るな…? 」

「 その為に!? カーストの為に!? 私に脅してきて!? A君と別れさせて!? アンタのせいで何人死んだと思ってる!? もう3人だよ!? , 返してよ…! Aとの日常を! 返してよ! 」


もう我慢が出来ず水越さんの様に声をあげて泣く事しかできなかった.

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