【3年A組】過去から現在,そして未来へ【男主】

1-13 ページ16

唯月「 アンタ皆になんて呼ばれてるか知ってる? 」

涼音「 あっ,待って! Aは───── 」

唯月「 ドレイだから. なんでも言う事聞くドレイ. わかる? 誰もアンタの意見なんか求めない. 黙って言う事聞いてりゃいいんだよ! 」

『 …え,なにそれ初耳. すず,本当? 』

涼音「 ぁ…その……えっと… 」

愛華「 本当だよ. A君がそういうの嫌いって涼音から聞いてたからA君の前では言わないようにしてたけど 」


なんだよ,それ….
それじゃあ俺達が澪奈を無視してる間も?
挨拶はしてたけど,内心そう思ってたってこと?


『 …香帆も…? 』

香帆「 ……ごめん… 」


握った手を初めて自分から緩めた.
別に綺麗事を言おうとは思わない.
でも,でもさ,言ってくれたら良かったのに.
もし何かあった時庇えないじゃん….


柊「 酷いねぇ… 」

香帆「 うっさい! 私は卑怯な手を使ってまで1位になろうとしたアイツにムカついたから喋りたくなかっただけ. それの何が悪いの? 」

唯月「 香帆に1票〜 」

隼人「 薬使うようなヤツと仲良くなれねぇよな 」

涼音「 そ,そうそう! 自業自得でしょ! 」

『 ふーん… 』

涼音「 …A…? 」

『 あぁ俺の事は気にせず続けて? 』


そう言うと本当に気にせず言葉を発していくクラスメイト.
俺の宝が宝を傷つけている.
やめろの一言も言えないのが悔しい.
今言えれば止めれるかもしれない.
でも止めれないかもしれない.
俺はただのご都合主義だから,すずと香帆が不利になる事は言いたくないしやりたくない.
だから…俺はお前が眩しいよ,


『 さくら… 』

さくら「 アンタ達に何がわかんの!? 澪奈の…何がわかんの!?
澪奈はいつも凛としてて…結局薬 物だってやってなかったし!
なのに情報に踊らされて彼女を追い詰めたのはアンタ達じゃない!
なんで死んでまで澪奈が悪口言われなきゃいけないの!?
許せない……絶っ対許せない! ……でも,1番許せないのは,私だ… 」


そう言いながらぽつりぽつりとさくらは自分の罪を語った.
被写体としか見ていなかったこと,手紙のことを話し出した.


『 澪奈が死んだのは…さくらのせいじゃない 』

香帆「 へ? A? 」

『 なぁそうだろ,柊 』


俺の溢れる涙に答えをくれなんて言わない.
でもせめて澪奈の死はさくらのせいじゃないと言ってくれ.
今の一瞬でさっきの考えを改めようと思った.
でも辿り着くのは……やっぱり此処なんだよ……なぁ香帆.

1-14→←1-12.5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す