明日も３６ ページ37
「危ない!!!!」
え、と思った時には視界がぐるんっと変わり、氷が砕ける音が響いていた。
「大丈夫！？」
キラキラ割れた破片が輝いていて、大きなスクリーンには間抜けな私の顔と、キラッキラに輝いている、
「Aちゃぁん…」
どうしてAちゃん、飛び出してきちゃったの。
次だよAちゃんの番は、私達が袖に消えて、国民の為に憂い泣いている所から始まるんだよ。
既に舞台から捌けていた同じシーンの３人は少し離れた場所でポカーンと口を開けている
死ぬかと思った、パラパラと砕けた氷が照明に反射してAちゃんの綺麗な顔をキラキラと演出している。
綺麗、とか見とれている場合ではない。
台本と全く違うのだ。どうすればいい。
Aちゃんも、飛び出して来たは良いものの、完全にやらかした、と気付いたようで顔を青くした。
動きの無い私達を不審に思ったのかざわざわとしてきた観客。
どうやって誤魔化そう、と頭が真っ白になった時、小さく息を吸う音が聞こえた。
『大丈夫ですか！？ウラビティ！』
「え、」
『私はこの国の王ローリェチカ、王都は制圧されてしまいました！』
「ちょ、」
『城の中には家臣達が取り残されているのです……！王都にはたくさんの国民も………！無理を承知して、私の願いを聞いて頂けないでしょうか………！』
ここでハッとする
Aちゃんは、劇を続けるつもりだ。
会場にいる誰もが、どうなるんだと食いつくようにAちゃんの事を見つめていた。
『は、はい！』
咄嗟に返事をする
するとAちゃんは顔をぐっと歪め、ぽろり、涙を流した。
そして私の手を強く握り、言った。
『あぁ、ありがとうございます、どうか、どうか！
私にその手をお貸しください…！』
Aちゃんのアドリブは完璧で、心臓が震えた。
一国の王がその立場など関係なく、国民の為に助けを乞い、力を貸してくれと懇願する様子は美しく、その磨き上げられた演技力と意図的に零された雫
濡れた頬と歪められた瞳が全てのスクリーンに映し出された時、
誰も落ちてきた氷塊が事故だなんて思ってはいなかった。
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シトロン - 初めまして！いつも楽しく読ませてもらっています！読むたびに胸きゅんする作品でとても素敵です！これからも頑張ってください！応援しています！ (2018年12月15日 14時) (
レス) id: 22bac4a663 (このIDを非表示/違反報告)
akamaru(プロフ) - ひなさん» 本当ですか！？さっき直したと思ったんですが、まだ７に行くようになっちゃってますか？！ (2018年2月10日 15時) (レス) id: 8e554ad2d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ごめんなさい間違えました！ (2018年2月10日 14時) (レス) id: e3fe067d7a (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - この小説の続きへを押すと7にいってしまうようになってますよー (2018年2月10日 14時) (レス) id: e3fe067d7a (このIDを非表示/違反報告)
akamaru(プロフ) - 妃薫。さん» コメントありがとうございます！かっちゃんの幼児化1度やったのですが、短かったのでじっくりやるのもいいですね！´`*続編に進みましたので、そちらでもよろしくお願い致します！ (2018年2月10日 13時) (レス) id: 8e554ad2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：akamaru
| 作成日時：2017年12月7日 16時
