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対処法120 ページ29

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『はい‥‥ヒカリ、こそ。嫌じゃないですか?』

「え?」

『だって、ほら私‥‥満足な寝床も用意できないし‥‥自分から言っておいてなんですけど、こんな変な女と同じ部屋だなんて‥‥‥』

スコッチの顔が、たちまちポカンとした物に変わった。私は割りと真面目に言っているというのに。


「‥‥大胆なのに、変な所で考慮するんだな。嫌って言うとでも思ったのか?」


『私だったら嫌です』

「‥‥‥ふッ」


スコッチは一拍おいてから吹き出すと、顔をあげて、こんな風に笑った


「どこだっていいよ。どんな場所だって」


居場所をくれた君となら、どこだって。




___
__



チクタクと針のなる室内。

景光は安心した途端ばたんとベッドに倒れこんでしまったAを見下ろした。

茶髪が少しぐちゃりと乱れたシーツの上に散らばっていて、同じ色の瞳はおろされた白い瞼に隠されている。


さっきまでそこに落とされていた色を、景光は思い出した。

戸惑いの中にじわりと滲んだ色。大好きなお菓子か、可愛い花を見つけたみたいな顔で、道端に落ちてる綺麗な石でも拾う子供みたいな様子で、こちらを見ていた。

突然部屋に男が現れて、パニックになっても、怯えてもいい筈だったのに、混乱しながらもとびきり嬉しそうで、そして少し泣きそうだった表情。

右も左も見失った自分に、ランプを掲げるように居場所をくれた人。

見知らぬ人にそんな事をされて、違和感を覚える筈なのに、何故か自分は安堵の方が勝っていた。


何も聞かずに、何も言わない自分に無条件に親愛と暖かさをくれた人。とびきりふわふわのブランケットで包むように。


正しい秒針の音がする。月明かりしか、この部屋を見下ろしていない。景光は額を落として、シーツの上のAの頭の横につけて、


自分が撃った筈の胸を、思い切りかきむしった。

気持ちが悪かった。ぬるい液体が伝っていた肌。裏切りを覚えた夜。死んだ筈の自分の、何もない胸。

そして何より、この娘を、何も疑わずに寝こけている彼女を



一瞬、で も、 かみ さ ま みた い と



分かっている。わかっている。このこがただの人間なことくらい。異常なまでにお人好しな、ただの女の子だっていうことくらい。


このこが神様なんかじゃないことくらい


でも、でもしょうがないじゃあないか。残りかすみたいな心臓しかもってない自分を、宝石かなんかをみるみたいに繊細な目でみていたんだ。

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レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
- 真咲さんカッコイイ❗更新頑張って下さい!😆 (7月5日 23時) (レス) @page42 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時

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