対処法102 ページ11
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思い出せば思い出す程、募るのは恐怖だ
ひたりと背後にこだました足音が、鮮明に耳にこびりついている
「お嬢さん。今の貴女は、折れそうな花に見えますよ。そのまま散り果てて、溶けていってしまう様です」
苦笑しながら、困った様に言う
「そんなに歯を食い縛らなくても良いんです。爪痕が残ってしまうほど、手を握り締めなくてもいいんです。
もう少し、貴女みたいな人は横暴でもいいと思うんですよ。
我慢するから、折れそうになってしまう」
キッドは手に深紅の薔薇を取り出すと、私の前でひらりとふった
「心は花と同じです。花は茎が折れてしまったら、添え木を添えて支えるでしょう? でも、一度折れてしまったら完全には元に戻らない」
長い茎のついた薔薇が、しなやかな指にポキンと折られる
「___傷は、どこかに残ったままです」
こんな風にね、といいながら彼は私の髪を掻き分けて薔薇をさしてくれた
「貴女の事を本当に心配してくれた人の、すべてに相談しましたか? 遠慮してしまって、心の奥にしまいこんでいませんか?」
わたしをしんぱいしてくれたひと
コナン君や、安室さん。人じゃないけど、ヒカリ
思い浮かべる名前に、ソレだけじゃないだろうと浮かんでくる顔があった
先輩や、真咲さん
あぁ‥‥そうだ。私には、他にも心配してくれる人はいる
大切で大事にしたい、心配なんてかけたくないくらい‥‥優しい人達だよ
心配されてるのはわかってた
でも、相談しなかった
私が‥‥勝手に判断して、線を引いたから
はっと、憑き物が落ちたような顔でキッドを見た
その怪盗は私を見て、青色の眼にいたずらそうな光を煌めかせる。キッドが怪盗モードの時にそんな顔をするのは珍しくて、思わずドキリとした。磨き抜かれた水晶のような瞳の中に、宝石が砕けて乱反射したような光がチラチラと踊っている
励ましてくれたのだと、一目で分かった
『‥‥ありがとう、ございます。キッドさん』
「可愛らしいお嬢さんのお役にたてたのなら、私としては本望ですよ」
か、顔がいい‥‥
このグラフィックの出来は劇場版‥‥あまりにも顔面偏差値が高い‥‥
キッドは風邪をひいた子供にしてやるように、私の肩をゆるゆるとなでてくれる。それは子供扱いというよりは、私を安心させようとしてくれてるのだと分かった
私がはわわ‥‥となっていると、キッドがぼそりと呟いた
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レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 真咲さんカッコイイ❗更新頑張って下さい!😆 (7月5日 23時) (レス) @page42 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時