24 ページ25
.
「ちゃうやん聞いてやひとらん。俺は届けもんしに来ただけやって」
「だからってなんで空から突っ込んでくんだよ!」
「アイツが空中散歩したいって」
「言ってない…!断じて言ってない…!」
余程怖かったのか部屋の隅で膝を抱えてうずくまり、肩を震わしながらAが必死に首を振る。
派手に入室した割にAに怪我がないのは、ゾムがなにかしらの方法で身を守っていたからだろう。しかし簡単に破られないよう障壁が施されたガラスを容易く破壊するとはさすがゾム。
まったく悪びれないゾムに詰め寄るひとらん、そしてすっかり風通しがよくなった窓と辺りに散らばる破片に目をやる。簡単に直せるからいいものを、今回の件もあってトントンの心労がまた増えるぞ。
「それで犯行動機は?」
「だからちゃうってー。Aがグルッペン探してる言うから俺はこうして親切にな」
「俺を?」
そういえばAが部屋に移った昨日から今に至るまで顔を見ていなかったと思い当たる。
ここ最近毎日様子を見に行っていたから寂しかったのかそうかそうか可愛い奴め。
「階段つくって欲しいんやって」
「そういうことか」
「階段?」
俺と、首を傾げたひとらんがAを見る。ゾムの言葉を遮りたかったらしいAの顔が分かりやすく引き攣った。
「なんで階段が欲しいのか是非とも教えて頂きたいですねぇ?」
「いや、あのー…ちょっと運動したくて、」
「あぁ、あんな上層から毎日昇降すればいい運動になるだろうな。そんなに運動したいなら俺たちが日替わりで遊び相手になってあげようか」
「それええやん!なんなら俺が毎日遊んだるわ!」
「いや、や、や、」
しゃがんだゾムに詰め寄られAが先ほどより激しく首を振る。いまさっき派手に扱ってきたばかりの奴ににじり寄られたらそりゃ怖いだろうな。
.
1181人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまぎ(プロフ) - しおりんさん» gルさんの瞳の色が青や赤に変わるのに疑問を持ったセリフです!久しぶりに読み返しましたが描写の印象が薄くて分かりにくいですね…せめて分かりやすいセリフに変更しとこうと思います。また何か疑問があればコメントくださる嬉しいです!ありがとうございましたー! (2020年9月9日 3時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - 11の『あ、れ?瞳の色が、』ってどういう意味ですか? (2020年9月9日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - う、うわあああ、、、、!!! そ、そんなに言ってい頂けるなんて、、、、!!!これからもあまぎさんの書かれるお話を楽しみにしております。 (2019年12月11日 10時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ろんさん» 拝見した瞬間「え、うま…」とリアルで言いました。可愛っ!素朴で芯が通ってる雰囲気に清廉された可愛らしさがあり大変ヨロシオス!!!!!!!いいもの見せて頂きました。夢主ちゃんにはこれからも魔王軍に苦労して頂きます…頑張ろうな。イラストありがとうございました! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - こんな感じで描いてみました。http://uranai.nosv.org/img/user/data/5/cye/5cee1e2d27d68efd0990e96722f9c62a.png (2019年12月10日 15時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あまぎ x他1人 | 作成日時:2019年11月3日 20時