す ページ21
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好きになったのは勿論入学してアイツと出会った時だろう。
だけど俺は自分自身でその思いを否定して友人というポジションで隣に並んでいた。
だってこの俺だ。こんなひねくれ野郎が素直に好きだって認めると思う?答えはNo。ずっと恋という感情から目を背けていたね。
だけど、異世界やら知らないが急に現れたあの海老と付き合ったって聞いた時は心底絶望して色んな感情が湧いたものだ。
無性にあの二人を見ると苛立って憎悪やら醜い感情が胸の中で混ざる、こんな思いをするなら消えたいと毎日思っていた。
そこでやっと自分の気持ちに気づいた。
失ってから気づく大切さってやつ?はは、想像以上に残酷だね。
「フロイドもお前が好きなのかと思っているけどな」
『そんな訳無い。気持ち悪い事言わないで』
「気持ち悪いって何だそれ。Aにとっては好きだと思われていた方が嬉しいんじゃないか?」
『気持ち悪いだろ。俺なんかを好きなんだよ?こんなクズ野郎が好きだとか見る目無さすぎて吐き気する』
そう言うと、ジャミルくんはハッと鼻で笑いこう言った。
「ほんと、面倒臭いやつだな」
『知ってますし。俺はこの校内で一番の面倒な野郎で鬱陶しいしネガティブだしその癖生意気な態度だし』
「本当に煩い奴」
煩いのは知ってるし、面倒だってことも自覚済み。そんな言葉もウツボに言われ慣れてるさ。
そんな自嘲めいた事を思いながら目を伏せると、途端に彼は俺の唇に人差し指を押し付けてきた。
「俺の好きな人の悪口、それ以上言うな」
パチリ、と瞬きをした。
え、何それ。一瞬少女漫画のヒーローかと思っちゃったじゃんか。遂に理想のジャミル・バイパーを求める余り優しさの意味を履き違えているんじゃないか?
『ぷッ、似合わなさ過ぎてお腹痛い……。そういう冗談は来世にでもやってよ』
思わず笑いが堪えられなくて、腹を抱えて笑ってしまった。
ジャミルくんはそんな俺の姿を見て怒るのかと思いきや、案外自分でも恥ずかしく思ったのか視線を逸らして口を尖らせていた。
いやぁ、面白い。今度からこのセリフは利用していこう。
ーーー
作者から。
想像以上に多くの方から評価やコメントにお気に入り登録、ランキング10位を頂いて衝撃を受けています。
ぶっちゃけ最初の評価はどうせ低評価でアンチコメ付いたら消そうかな、と思っていましたが、真逆の状況が起きて作者の脳内がドッカーン!!!と爆発してます。
本当にありがとうございます!
引き続き、面倒くさくてうざい彼等をよろしくお願い致します!!
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きのこ(プロフ) - 天さん» ありがとうございますー!!作者の需要の無い解釈まで読んで下さりありがとうございます!面倒臭いやつですよね笑激しく同意です。 (2021年1月25日 18時) (レス) id: 4f05699535 (このIDを非表示/違反報告)
天 - 遅くなりましたが、もしもの話読みました。ジャミルもフロイドも好きなので嬉しかったです。バッドエンドの理由がジャミルらしくて、やっぱり面倒臭いやつだなと思いました(笑) (2021年1月25日 16時) (レス) id: 5c82add3f1 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 緋にゃんさん» リクエストありがとうございます!良いですねd(≧▽≦*)ストーリーが思い浮かんだら、是非投稿したいですー!! (2021年1月20日 22時) (レス) id: 4f05699535 (このIDを非表示/違反報告)
緋にゃん(プロフ) - もしもジャミルの方に惚れたらとかの番外編?とか読んでみたいです! (2021年1月20日 22時) (レス) id: 152c3eadfc (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 天さん» 分かります。やる時はやる、そんな監督生ちゃんが好きですー!夢主くんは自分が恋人という幸せに結構浮かれてますね笑良かったね、と心温まります笑最後のエーデュースは次作の方がエースメインなので匂わせ風に入れてみました!最後までありがとうございます(*´▽`人) (2021年1月20日 19時) (レス) id: 4f05699535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ | 作成日時:2021年1月13日 0時