脱蛙化現象契約【岩田剛典】

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『はぁん。上目遣いきゅんきゅん』

















一度意識してしまった推しへの愛は収集が効かず


スマホを眺めながら

自然と漏れる乙女らしい声


















『声、姿、性格もろタイプ！存在が好き！』


桜｢はいはい｣


『早く会いたいな〜！ライブ行きたい〜！』


桜｢そうだねー｣


















スイッチが入ると

突然始まる推し語りは安定すぎるも


対応してくれる桜にはいつも感謝です


















桜｢もうリアコじゃん｣


『リアコだよ！！』
















酔ってるのかな

食い気味でした即答に呆れた顔の桜





さっきと言ってることが矛盾してるって？



そりゃこの恋は空想みたいなものですから

口にするだけで幸せなのよ〜



















桜｢もう片寄君と付き合えるように頑張れば？｣


『ははっ、それは無理ゲー』

















いくら同じ都内にいるからって



出会える確率とか何パーセント？

更にそっから交際に発展とかもう何億分の1よ





というより

そもそも私には問題がありまして･･･。



















『仮に好きになって貰ったとしても

好意を向けられると冷めちゃうんだよね』


桜｢推しでも？｣


『それは分からないけど』


















20年間生きてきて

記憶のあるうちの恋愛はずっとそうだった




そりゃ涼太君に好きになって貰えて

私もそれを受け入れられて



ってなれば幸せ万々歳だろうけど


















『(有り得なさすぎる)』


















普通に現実考えて

流石にそれは話が上手すぎるよねぇ





私は夢を夢見る


現実派オタクなのです

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