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第32話 密告
中間side
《回想》
契りって、あんなに素敵なものやったんや。
力強い手の温もりと、汗が滴るアキトを思い出して口元が緩んでまう。
明け方、幸せを噛み締めたまま城へ戻ると…
ノゾム「ジュンちゃん?お外おったん?」
白雪姫と鉢合わせしてもうた。
ジュン「ノンちゃん…うん。そうや。」
ノゾム「怪我しとるよ?」
赤い印が付いた首筋を指さす。
ジュン「これは怪我ちゃうよ。真実の愛や。」
ノゾム「…パパ?」
ジュン「好きな人。ノンちゃん、今見た事は誰にも言ったらアカンで。」
3日後、隣国との戦争が始まり、叔父上は戦地へ赴いた。
1ヶ月後、国王は弓術大会を開催すると国中に知らせた。
どれも私からアキトを排除するために母上が仕組んだものやった。
◇
智洋side
中間「白雪姫は何の躊躇いもなく母上に告げ口してん。そんで、俺とロビンフッド…アキトが付き合ってるってバレてもうたんや。自分より白雪姫の方が美しいからなんて、浅はかな理由やないねん。」
パパの口から話された、ロビンフッドの真実。
本を読んだ時みたいに、瞳からポロポロと涙が落ちとった。
中間「智洋、泣かんでええよ。もう、終わったことや。」
智洋「でも…ロビンフッドはこの町にはおらんの?」
中間「わからん。住民票には見た事がない。」
智洋「俺、パパの気持ちも知らんで、酷いこと言ってごめん。」
でも、パパは余韻に浸る間も無くこう続けた。
中間「それはそうと、母上が生きてる。こっちに来られたら、とても危険や。」
智洋「なぁ、マルコ妃とマリアンヌは鏡の中へ逃げた後どうなったん?」
中間「俺はすぐに白雪姫の父親と結婚した。母上は一度は国を追放されたんやけど、ワンダーランドに逃げて復権したんや。」
智洋「ワンダーランドって、不思議の国のアリス?」
中間「母上の今の名は……ハートの女王。母上の執念は、ホンマに厄介やで。」
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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました! (2021年10月31日 3時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です!巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月17日 13時