Type-Green ページ10
Type-Green ひとりの静寂
大倉side
ある日。
ベルトコンベアの試作に魂積め、
気付けばもう夜。
大倉「Aさん、遅くまで付き合わせてごめんな。」
『いえ。私もここの干渉が気になっていたので。』
大倉「お陰で助かったわ。あのアイディアは考えつかんかった。」
機械ってやつは、少しの妥協が命取りとなることがある。
低コストで強度はそのままなんて、上手すぎる話なんて存在しないと、
俺は偽装された冷凍チャーハンの一件でそれを痛感した。
大倉「Aさん、もう遅いから上がり？あとは俺一人で大丈夫やから。」
『え...はい。お疲れ様です。お先に失礼します。』
独りになった室内。
慣れてる光景が、なんや寂しい。
いや。
慣れてる言うても、半分くらいはるびぃがおやつ食いながら、横山課長の格好良いエピソードとかひたすら喋って邪魔するから、追い出して一人になってたんやった。
まぁ、あれはあれで良い思い出やな。
結婚かぁ...
３０過ぎたけど、人の人生を、家庭を背負える自信もなければ相手もいない。
考えてないで、体動かすか。
『あ。あの...』
Aさん...？
大倉「あれ？Aさん？帰ったんやないの？...忘れもん？」
『えっと、いや...これ...』
仕事の時とは打って変わってたどたどしいAさんは俺にドラッグストアの袋を差し出す。
大倉「なに？」
『あの...あんまり、無理しないでくださいね。私が入社した頃と比べて、顔色が白くなってるように見えたもんで。』
中身は栄養ドリンクと暖かくなるアイマスクだった。
大倉「...ありがとう。」
『今度こそ、お先に失礼します。』
さっそくアイマスクを使った結果、
そのまま寝落ちて、日の出を迎えることになる。
大倉「やっば。風呂どうしよ！」
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作者名：るびぃ | 作成日時：2020年11月30日 2時
