それぞれの恋愛模様たち (ページ42)

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Type-Blue クリスマスイヴ

安田side

１週間はすぐに訪れた。

今日はクリスマスイヴ。

Aちゃんの二十歳の誕生日。

お店はランチまでにした。

閉店後、扉が開くと主役の登場を前に、
注文していた新しいカーペットが届く。

Aちゃんの希望で、洗えるタイプ。

また粗相しないようにやって。

そんな、気にせんでええのに。

吐くまで飲ませへんよ。

『こんにちはー。』

愛しい人の登場。

安田「いらっしゃい。」

『あ！カーペット、着たんですね！』

安田「ほんと、ついさっき。」

『さっそく敷きましょ！』

深い青色が海みたいなカーペット。

さっそく寝っ転がるAちゃん。

やっぱりまだ少女やな。

『ん？』

安田「いや(笑)」

『えー。何ですか？』

安田「あどけないなぁ～って思っただけ。」

『もう！』

陽が傾きはじめ、
朝から仕込んでいた鶏肉を揚げる。

いつも仕入れさせて貰っているケーキ屋さんから、ブッシュドノエルを作ってもらった。

そして、今日はお祝いだからと、奮発してシャンパンも買ってきた。

安田「はーい。お待たせ。」

『めっちゃ豪華！』

安田「そら、特別な日やもん。」

グラスに注がれる黄金色。

安田「それではAちゃん、メリークリスマス。」

グラスの音が響く。

『メリークリスマス。』

シャンパンは、二十歳を迎えたAちゃんの唇に吸い込まれていく。

安田「一気に飲んだらアカンよ。」

『ん。これ美味しい！本当にお酒？』

安田「ちゃんとしたやつはこうなの。」

『前のは１杯３００円だったもんな。』

安田「安すぎや(笑)」

ブッシュドノエルに２と０のろうそくを立てて火を灯す。

安田「お誕生日おめでとう。」

『ありがとうございます。』

ふうっと、Aちゃんが息を吹き掛けると火が消える。

安田「はい、これ。ヤスサンタからプレゼント。」

『これ...嬉しい！』

クリスマスとお誕生日にふさわしいものをと思って、
閉店時間ギリギリのデパート巡ってはプレゼント選びに悩んだ１週間やった。

でも、今のボクの気持ちにはこれしかなくて...

『左にしても良い？』

安田「もちろん。着けさせてあげるな。」

ベタなペアリングに行き着いた。

『あの...私からも...』

そう言うと、鞄からラッピングされた袋が出てきた。