・ ページ28
気づけば、近藤さんの残り少ない頭頂部をむしり取っていた。
そんな自分を、必死で止める大西と鏡越しで目があって我に返る。
大西「主任!!!」
近藤「あああああああ!!髪がぁぁぁ!」
大倉「Aさんも今、同じ気持ちや。せや大西、この製麺機、営業担当誰やったっけ?」
大西「これですか?村上部長のです。」
大倉「村上部長の上客のプロトやったよな?近藤さん、どないしてくれんの?」
近藤さん、ぐうの音も出ない。
そうこうしてる間に、
一報を聞いた営業部が駆けつけ...
村上「おい近藤!!!どういうこっちゃー!?」
藤原「ホンマにすんません!」
るびぃ「Aさん!!!!」
横山「るびぃ走るな!落ち着け。」
藤原「こっちです!!!」
『助けて...(泣)』
るびぃ「こんなに酷いことしやがって...」
ガツン!
るびぃ「潰して機能不全にしたろか?ああ"?この、クソオヤジ。」
近藤「ひっっっっっっ」
大西「うわ...(汗)」
怒りの頂点にいるるびぃが、
近藤さんのイチモツに膝蹴りをかましていた。
おい。お腹の赤ちゃん、大丈夫なん?
『るびぃさん、もう良いです。髪、切っちゃってください。』
るびぃ「だめ!今、分解するから、もうちょっとだけ待って!」
『良いんです。髪なんて、また伸びますから。切ってください!』
るびぃ「Aさん...ごめんね。大倉、ハサミ借りるよ?」
こうして、勘違い野郎の近藤は村上部長に首根っこ掴まれて、社長室へ連行されていった。
そして、機械の犠牲になった真っ直ぐな黒髪は、るびぃの手により切り離された。
翌朝。
『おはようございます。』
大倉「おはよ...え...」
『あの...変ですか?』
あの後、女子二人でるびぃが通っている美容室に駆け込んで、
存分にオシャレにしてくれとお願いしたんやって。
大倉「いや...似合っとるよ。とても似合ってる。」
『ありがとうございます。』
茶色く染まったショートボブが、
差し込む陽射しで輝いて見えた。
46人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るびぃ | 作成日時:2020年11月30日 2時