Type-Black ページ12
Type-Black 贈り物は突然に
横山side
それは突然訪れた。
営業部に内線が響き渡る。
丸山「お疲れ様です。営業部、丸山です。」
何気ない日常だと思っていた。
丸山「...え？」
何だか様子がおかしい。
丸山「課長！技術部の大倉から！緊急！！」
急いでマルから電話を代わると、
横山「お疲れ。大倉、どうした！？」
大倉「大変や！るびぃが倒れた！！」
横山「え...？...すぐ行く！！！」
電話を切ると、村上さんが気にして駆け寄ってきた。
村上「ヨコ、どうした？」
横山「技術部でるびぃが倒れた。」
村上「えー！？るびぃ、朝は元気やったよな？すぐ行ったり？ヨコも早退してええから。」
横山「申し訳ない。様子次第ではお言葉に甘えるわ。」
村上「かまへん。はよ行け！」
技術部に着くと、大倉と最近入ったAさんが、るびぃを介抱していた。
すっかり蒼白の顔でうずくまるるびぃ。
横山「るびぃ、大丈夫か？」
大倉「なんや、揚げたてのおかき食おうとしてたら、急にえずきだしてん。」
横山「るびぃ、喋れる？」
吐き気が止まらず、袋を抱えたまま首を横に振るるびぃ。
横山「とりあえず、帰ろう。俺も早退するから。大倉、タクシー呼んでもろうてもええ？」
大倉「今、電話します。」
横山「悪いな。」
大倉「大丈夫です。」
そう言って、一目散に電話を掛けに行った。
すると、
A「あ、あの...」
横山「Aさん...やっけ？」
A「あ、はい。あの...さっきるびぃさんから聞いたのですが...」
横山「何？」
A「るびぃさん、しばらく生理が来てないみたいです。」
横山「え...？」
A「婦人科、行ってみた方が良いと思います。」
横山「...わかった。ありがとうな、教えてくれて。」
それからはあっという間だった。
医師「おめでとうございます。６週目です。」
るびぃのお腹には俺との子供を宿していた。
点滴を打ってきたるびぃは、
家に帰る頃には悪阻が軽くなったようで、
腹減ったばっかり言っとる。
るびぃ「赤ちゃんのために、二人分食べた方が良いのかな？」
横山「食べ過ぎはアカンって、先生がくれた冊子に書いとるぞ。」
ホンマに食べるのが好きなヤツやな。
でも、また悪阻で食えなくなっても可哀想やし、今日は甘やかしてもええか。
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作者名：るびぃ | 作成日時：2020年11月30日 2時
