それぞれの恋愛模様たち (ページ2)

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Type-Green 理系の女

大倉side

大倉「この数値、なんやおかしない？もう一度分析してもらえます？」

キタガワの技術部。

たかが食品加工、されど食品加工、
ミリ単位以下の数値のズレは許されない。

俺は春から主任の役に就いた。

以前発覚した、ゴムパッキンの下請けによる強度偽装の証拠を保管していたのが、昇進の決め手ではないかという噂があるが、真相は知らん。

ただ、あの一件があったから、
営業部が命懸けで闘う姿を間近で見ていたから、
一切妥協をしない商品を、俺は作っている。

夏、この部署では珍しく、女性が中途で採用された。

俺と同い年で国立大の理工学部卒らしい。

絶対、ヤバいやつやん。

ダサそうな機械オタクの想像はすぐに裏切られた。

『宜しくお願いいたします。』

モデルみたいな美人。

『大倉主任、確認の程お願いします。』

今まで、後輩たちの詰めが甘くてやり直しさせていた分析は、俺の納得のいくものばかりだった。

大倉「国立大出ると、やっぱ違うな。」

『いやいや、そんなことないですよ。』

思った程、プライドも高くない。

営業部のるびぃなら間違いなく調子に乗るに決まってる。

『あっつ...』

稼働する機械の熱気で、温度が上がる室内。

誰もいないと思ったのかＴシャツで顔を拭くAさんの姿にちょっとドキッとした。

瞬間、俺の気配に気付いて作業服を整える姿にさらにドキッとした。