逃した魚は5m_2[歌い手]

ルート1_終 ページ11

『うらたさん。』

浦「渉。」

『…うらたさん。』

浦「渉。」


『わた……うらたさん。』

浦「うらたさん呼び禁止！」

付き合いはじめて数ヶ月。Aとうらたの関係は、ゆっくりではあるものの発展していた。


浦「もう同棲してるんだし、恥ずかしがんな〜。」

うらたは茶化す様にA言う。しかし、Aからすればずっと名字で呼んでいた相手を名前呼びに変えるのは勇気のいることだった。

言うなれば、照れているのだ。

そしてそれを分かっているからこそ、うらたは意地でも名前呼びをさせようとしている。
悪魔のような男である。←


『うらたん、はリスナーの方と被るしなぁ……。』

ちなみに、うらたと付き合いはじめてからAは振り回されっぱなしだ。
手を繋いだり抱き締められたり。うらたは有名なため、外でくっつくことができない！と、家の中でここぞとばかりにくっついてくる。

耐性のないAからしてみれば、過剰摂取。心臓に悪いとしか言いようがない。

本人も、答えようと頑張っているのだが………。


　

『わ、渉……さん。取り敢えずはこれでいいでお願いします！』

　
　
浦「…さん付けとか可愛すぎだろ……！！」

　
うらた曰く、そこがめちゃくちゃ可愛いらしい。利害とは案外一致するものである。

　
『私は渉さんと違って、さらっと呼び捨てとか無理なんで。』

小馬鹿にされている気がしたのか、ぷいっと拗ねる。
うらたはそんなAを後ろから抱き締めて、首元に顔を埋めた。



浦「…まあ、さ。ゆっくりでいいよ。」

今のAが好きってこと。
その言葉に答える様に、Aは髪を撫でる。

　

　
進展遅すぎ！とうらたがメンバーに茶化されるのは、もう少し先の話。

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