26．共感 ページ27
．
「あ？なんだと？」
「だって…素人の私にも勝てず、ただただ仲間がやられていくのを見ているだけだなんて…とても無様ではありませんか。もしかして自分が無様であると気づくことも出来ていませんでしたか？それはなんともまあ…」
私は口元に手を当て上品にクスクスと嗤う。
「おかわいいことですわね」
「あ！？雑魚が喚いてんじゃねぇよ！」
相手は腰にさしてあったナイフ数本を手馴れたようにこちらへ投げてきた。バク転をしてギリギリのところでナイフを回避したあと地面に刺さってしまったナイフを一本抜き取り投げ返してやった。相手は私が地面に刺さったナイフで反撃してくると思っていなかったのか反応が鈍り腕にナイフが刺さってしまう。血をぼたぼたと流しながらこちらを睨んでいる姿はなんとも無様である。
まだ刺さっていた数本のナイフを構え他の奴らにも同じことをしてやろうと思っているといつの間にか周辺にある瓦礫の後ろから回り込んできていた敵二人に囲まれ、一人にはナイフを二、三本刺されもう一人には深い切り傷を刻まれた。そして私に傷を負わせたあと私の攻撃が届かない範囲に逃げる際に私の傷口に触れた。
すると身体中の血管という血管の全てが破裂するのではないかという程血管がぼこぼこと膨れ上がる感じがする。反射的にこぽりと喉から溢れ返ってくる血を吐き出し地面に手をつくと、手のひらから真っ赤に染まったそれが酷く熱を持っていることが伝わってきた。
直接触った血を操る個性か？いや、それなら血を外に出させて出血多量で殺せばいい。それに吐き出した血は熱かった。人間の血液温度は約37〜38℃と聞いたことがあるがこれはそれ以上だろう。ということは…
「…液体の温度を操る個性？」
「大ッ正解！…と言いたいところだが少し違ぇな。正確には液体を沸騰させる個性だ。聞いた通りの没個性だよ。カップラーメンしか作れやしねぇ」
「充分いい個性ではありませんの。わざわざお湯を沸かさなくても済みますわ」
「ハッ、強個性持ちには分かんねぇだろうよ。没個性の痛みはよ」
敵の言葉と同時に体内の血液の温度が上がっていくのが分かる。
「俺は頭もよくねぇし個性も強くねぇから誰にも必要とされなかった。だからヒーローになるなんて夢すら見れなかった。両親も死んだ俺はどこにも居場所がなかったんだ」
…その先は言われなくてももう分かるよ。私と境遇が似てるんだね。
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桜(プロフ) - ミクモさん» 待っててくださりありがとうございます！受験が終わったのでボチボチ更新できるようになったと思います。できるだけ早く更新できるように頑張りますね！ (2022年2月3日 16時) (
レス) id: d43034eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ミクモ(プロフ) - 更新されるの待ってました‼︎やおももが今後どうなるのか気になって仕方がありません！これからも頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2022年2月2日 20時) (レス) id: ef87c22dec (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - あのさん» そうなんです…私シリアスが好きなのでちょくちょく入れちゃうんですよね。まあ私のことはどうでもいいんですが、これからの展開に期待していてください！あのさんが楽しめるような展開にしたいと思っているので！ (2021年12月27日 19時) (レス) id: d43034eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
あの - やおももも大変なんですね... (2021年12月19日 15時) (レス) @page36 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 葉月さん» 面白いと言ってもらえて凄く嬉しいです！頑張りますね！ (2021年12月4日 17時) (レス) id: d43034eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2020年9月20日 18時
