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「血が止まるまでは安静にしていてくださいね」
蝶屋敷の女の子はそう言うと扉を開けて、部屋から出ると何か驚いた様なそぶりを見せてお辞儀をした後去っていた。
「よもや!怪我をしたのか!」
「煉獄さん…」
どうして貴方がここにいるのか、なんて事は聞くまでもなく彼の左手の包帯を見てわかった。
「煉獄さんもお怪我をされたのですね」
「そうだ!少し集中を怠ったのだ!穴があったら入りたい!」
そう言うと今度は私の腕を見た。どうやら変えの包帯を貰いに来たらしい。
煉獄さんが怪我をするとは余程強い鬼であったのだろうか。
「愛月殿も同じ所で怪我をしているのだな!怪我は酷いのか?」
「いえ、不死川さんに早めに処置をしていただいたので、そこまで酷くならずに済みました」
「…!そうか」
少し考える素振りを見せると、もう用はないのか出ようとしていた。
「あの!!稽古を付けて下さいませんか!!」
慌てて引き留めようとしたので、口から言葉が出てから自分が何を言ったのかを認識した。
「いえ…その……強くなりたいんです。守れるように」
「……うむ!良い心掛けだ!だが断る!」
……え?断るのですか?
此処まで来て私も引き下がるわけには行かない。
「お願いします!!稽古を付けて下さい!強くなる見込みが無いと思われたのなら諦めますので…」
最後の方はボソボソと小さく話してしまったが、聞こえただろうか。
「……よしわかった、引き受けよう!」
煉獄さんは、明日の昼に煉獄家に来るようにと私に伝えたあと部屋を出て行った。
「嬉しい…」
私は煉獄さんの側にいられる時間を作っていただけた事をとても嬉しく思い、同時に頬が赤らむほど、また彼への思いが膨らんだ。
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千春餅(プロフ) - 黒揚羽さん» ありがとうございます!また次回作品を投稿する際はよろしくお願い致します!ありがとうございました!! (2020年11月2日 21時) (レス) id: b2822671a3 (このIDを非表示/違反報告)
千春餅(プロフ) - あさこさん» コメントありがとうございます!絶対結ばれます!笑最後までありがとうございました! (2020年11月2日 21時) (レス) id: b2822671a3 (このIDを非表示/違反報告)
黒揚羽(プロフ) - な、涙が止まらない…来世で結ばれて欲しい(´;ω;`)完結おめでとうございます!これからも応援してます! (2020年11月2日 1時) (レス) id: 86957641b4 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - うわーん涙がとまらない、、、、(´;ω;`)来世で必ず結ばれますように、、、!! (2020年11月1日 22時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
千春餅(プロフ) - 四ツ谷さん» ありがとうございます!最後の展開はこうしようと最初に決めていたのですが、後半になるにつれて「2人とも生きて欲しい」という気持ちが出て来てすごく悩みました。来世で2人とも幸せになってほしいですね…。ありがとうございました!! (2020年11月1日 19時) (レス) id: b2822671a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千春餅 | 作成日時:2020年10月21日 15時