守りたい【煉獄杏寿郎】

十五頁 ページ17

体を少し寄せて、炭治郎君が煉獄さんと話しやすいようにする。

私はその間、善逸君と伊之助君と横を向きながら話す。


「Aさんは好きな人いますか！！俺ですか！結婚しましょう！」


「ふふ、好きな人は別にいます。だから貴方とは結婚出来ません、ごめんなさいね」

善逸は項垂れると魂が抜けたかのように動かなくなった。


「俺諦めませんからー！」


と思ったが意外と切り替えが早かった。


「A吉！お前も見てみろ！！すげぇ速ぇぞ！」


「Aです。あと、あんまり頭を出すと危ないですよ、もし隧道などがあれば頭と腕千切れますよ」


「Aさんって、意外と怖い事言うんですね！……って本当に危ない！馬鹿この」


汽車と競争すると聞かない伊之助君を立ち上がって善逸君と私で引っ張る。


「はっ！Aさんいい匂いする！」

「触るんじゃねェ！」


伊之助君をなんとか引っ張り出した後、落ち着くために座らせ、偉い偉いと頭を撫でると、


「俺をホワホワさすんじゃねぇ！」

と何故か怒られた。何故に。


同時に煉獄さんが

「危険だぞ！いつ鬼が出てくるかわからないんだ！」

と注意喚起をすると、今度は善逸君が落ち着かなくなった。


「落ち着いて、善逸君」

「無理です！俺を守ってください！俺死にます！というか降ります！」

煉獄さんの隣に座り直しながら、善逸君を宥めていると車掌さんが切符の確認をしに来た。



「切符…拝見…致します…」



_________パチン

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