M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part7 (ページ6)

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しばらくそれが続いたかと思うと、水の注入は終わり、ホースが勢いよく仁人の口から引き抜かれた。
それと同時に、仁人は耐えられなくなり、そのまま胃袋に注ぎ込まれた水をすべて吐き出した。
床には血の混じった水が大量に広がる。

これが、地獄の苦しみ…

側近「気分はどうですか？」

仁人「ヴッ…！ガハッ…！ゴホッ…！！はぁー…はぁー…ぁ…ぐっ…ぁ…」

あまりの苦しさで、返事もできない。
しかし、さっきの傷口を弄(いじ)られるよりは、まだなんとか耐えられるか…？

側近「うふふ。ですが、まだ終わりではありませんのよ？あちらを御覧なさい」

そう言って側近は右の方を指さしている。
仁人はゆっくりとその方向を見た。

仁人「？！」

そこには、さらに悲惨な光景が広がっていた。
透明の分厚い窓ガラスの向こう側で、痩せ細った人々が何十人とこちらを見つめているのが見える。
その体はほとんど骨と皮だけのように見え、痩せて大きくなった眼球のすべてが仁人のことを見ていた。
その表情はなんと形容していいのかわからない。
羨望(せんぼう)なのか、悲しみなのか、憎しみなのか、殺意なのか、そのすべてか。

側近「彼らはこの王宮で一生奴隷として働く者どもですわ。彼らには水なんてほとんど与えていませんの。だから、あなたがそうやって無駄に飲んでは吐き出すその水、彼らにはどう映っているのかしら？」

側近の笑顔で、仁人は背筋が凍り付いた。
何を考えているんだこの人間は。
こんな状況でなぜ笑っていられるんだ。

仁人「くっ…」

これを二十四時間耐えれば、戦争は始まらない…

側近「これを、五分置きにあなたへ行いますわ。我々は子供だからと言って一切容赦などいたしません。苦しんで苦しんで、そして地獄へ落ちなさい。二十四時間後、あなたが正気を保っていられたのならばまた逢いましょう。あとはこの拷問官に任せますわ。それじゃ」

野盗頭「地獄へ落ちて潰れて死ね」

そして、側近は野盗頭の車いすを押して部屋から出ていった。

仁人「……」

仁人は、奴隷達から視線をそらし、目を瞑(つむ)った。
五分後、再び地獄が始まる―

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