ページ ページ22
瑞生はそんなことを考えて、首を横に振った。
僕は何考えてるんだ。
きっと無事だ。
もしかしたらそこの木の陰からひょっこり顔を出して、いつもの優しい温かい笑顔を見せてくれるかもしれない。
瑞生「ん？」
その時、瑞生はその木の幹に何かがついているのが見えて目を
足早にその木に駆け寄る。
瑞生「これ…」
舜太「瑞生君、どないしたん？」
琉弥「何か見つけたの？！」
瑞生が見つめる先。
そこには、木の幹にべっとりと付いた赤黒い液体。
琉弥「血…？！」
琉弥はその幹に付いた液体を少し手に取って観察し始めた。
それは間違いなく何かの血液のようだった。
舜太「もしかして、勇斗君の…？！」
琉弥「わからないけど、全然乾いてないってことは、ここに付いてからまだ間もない…」
瑞生「見てごらん。地面にも血痕が続いてる…！」
その血痕は、森の中へ続いて落ちている。
川辺の血液は雨で流されてしまっていたが、森の中の物はまだ流されずに残っていたようだ。
瑞生「濡れた跡もあるし、血痕の跳ね方から考えると、あの川の方からこの森へ進んでいるように見える…」
舜太「な、なんでそんなことわかるん…？」
琉弥「血の形だね…」
瑞生「そう。この血痕、
舜太「川から森に進んでるってことは、じゃあやっぱりこの血は…！」
瑞生「あぁ…！この血液は勇斗の物の可能性が高い…！」
琉弥「でも、この量を考えるとかなりの出血だよ…。それに、かなり低い位置に血がついてる。つまり
やはり、自力でここまで歩いてきたんだ。
希望はまだある。
勇斗は、生きている。
三人は顔を見合わせ、その血痕の行く先を追う。
―
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月28日 19時
