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仁人「くっ…。無駄な時間を過ごしてしまった…。早く国王のところへ行きたいのに…！」
太智「いてて…。そう言えば、柔太朗はここの国王と会ったことあるんだろ？」
柔太朗「ああ。この国にも何度か来たことがあるし、王宮にも招待されたことがあるな」
柔太朗は、牛乳王国に隣接する東西南北の国のうちの一つ、牛乳王国から北に位置する氷の国の王子。
氷の国の国王と女王がいない今、彼が氷の国の実質的王だ。
今は、生き残った住人の中から大臣補佐であった人物に国を任せて旅をしている途中なのだ。
仁人「ほ、本当か？！なら、この国の王宮がどこにあるか知ってるんじゃ？！」
一分一秒でも早く、この国の国王に会って、事情を説明しなければいけない。
全ては七つの大罪のせいだということ、戦争などしなくても、事情を話せば牛乳王国は南の国を支援してくれるはずだ。
だから、この戦争が始まる前に、終わらせなければ…。
柔太朗「おいおい、俺様を誰だと思ってるんだ？もちろん知っている」
仁人「さすが柔様！！一緒に来てくれて助かったよ…。で、王宮はどこに？」
柔太朗「そんなの決まってるだろ？この南の国のどこかに王宮があるに決まってるじゃないか！そんなこともわからないのか？」
仁人「……」
太智「……」
しばらくの沈黙の後、太智は仁人に耳打ちした。
太智「俺の気のせいだったらいいんだけどさ、柔太朗ってたまにとんでもなく予想をはるかに超えてポンコツになるよな」
仁人「いや、待て待て。あれは柔太朗なりのボケなのかもしれん…」
柔太朗「ん？どうした？俺の偉大さに声も出ないか？はっはっはっは！」
仁人・太智(やべえ、こいつマジだ)
柔太朗「ふっ…今日の俺―」
太智「赤点だよ！！」
仁人「お、おほん…。仕方ない…。
太智「そ、そうだな…。何か手掛かりがあるかも…」
そう言って二人は足早に歩いていく。
柔太朗「ちょ、置いてくなよ二人とも！」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月28日 19時
