M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ19)

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瑞生たちと別れ、一晩経った明朝、切り立った岸壁が並ぶ険しい道のりを、仁人、太智、柔太朗の三人が足元の岩を避けながら歩く。

仁人「難なく南の国に侵入することはできたが…これからどうしたものか…」

太智「見渡す限り岩ばっかだな、この国は」

大小さまざまな岩の転がるその土地は、緑も少なく、枯れ果てている。
西の都からの物資供給は、この国の要(かなめ)と言っても過言ではない。
それが絶たれたとあっては、この国の現状も気がかりだ。

仁人「早急にこの国の国王と話し合いの場を設(もう)けなければ…。できれば明日には国王の元に辿り着きたいところだが…」

そう言って、仁人は一歩踏み出そうしたが、背後から何かに引っ張れてその場で尻もちをついた。

仁人「？！何だ…？！」

一体何が引っ張ったのか？
仁人は背後を確認するが、何もない。
もう一度立ち上がって歩こうとするが、やはり何かが引っ張って動けない。

太智「何してんだ？」

仁人「いや…。なんだ…？」

よく見ると、腰の聖剣が地面に転がる黒い岩に張り付いている。
仁人は聖剣を引っ張るが、岩に張り付いて離れない。

仁人「何だこれ…？！」

柔太朗「これは磁鉄鉱(じてっこう)…マグネタイトのようだな」

仁人「マグネタイト…つまり磁石のようなものか？」

柔太朗「ああ。この国の岩の多くがこのマグネタイトによってできてると聞いたことがある」

仁人はそれを聞いて、太智と二人で聖剣を思いっきり引っ張った。
聖剣は岩から離れると、仁人達は勢いよく尻もちをついた。