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勇斗「はぁー…。悪い…。でも、笑ったらなんかすっきりした…。ありがとう仁人…。やっぱお前はすげえよ…」
仁人「…礼を言われるようなことは何もしていない…。それに礼を言うのはこっちのほうだ。いつもありがとう」
勇斗「バーカ…照れるだろっ…」
二人は寝転んだまま微笑みあった。
勇斗「なぁ仁人…」
仁人「ん？」
勇斗「俺達が持ってる勇者の力…この力は誰かを傷つけるためにあるものじゃない。少なくとも、俺達はこの力を"人"を守るために使ってきたはずだ」
勇斗は自分の手の甲の印を包み込むように、もう片方の手で押さえた。
勇斗「だから、いくら相手が野盗だからって、いくら憎い相手だからって…この力を人に使っちまうと、それはもう魔物や七つの大罪とやってることが一緒なんだ…。俺が柔太朗の家族や、仲間にしたようにな…。皆には、俺みたいに、"人に平気でこの力を使える"ような人間にはなってほしくない…。そんなこと、絶対にさせたくない…」
強大な力に操られ、知らぬ間に犯してしまった自分の取り返しのつかない罪。
それを振り返るように、勇斗は遠くを見つめている。
勇斗「俺も、そうなりたかったなぁ…」
勇斗は小さく、そうつぶやいた。
仁人「…勇斗のその想い…きっと太智たちにも伝わる…」
勇斗「そうかな…でも俺、馬鹿だからさ…。お前みたいにうまく伝えられるかな…」
仁人「大丈夫…私も手伝うよ…。さぁ、そろそろ…皆のところへ戻ろう…」
その時だった。
後ろの
勇斗と仁人は急いで振り返り、身構える。
しかし、そこにいたのは、目に涙を浮かべた太智だった。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月7日 16時
