M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part5 (ページ6)

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太智「な、なんでだよ！こんだけひどいことされてるんだぜ？！このままだったら他の村だって襲われるかもしれない！！その前に俺がこの勇者の力で、その野盗を殺して―」

勇斗「太智！！…野盗は放っとけって。俺たちがそんなことしても、事態は何も良くならない。それより七つの大罪を倒すのが先決だ」

太智「はぁ？！そりゃ、それも大事かもしんないけど！！もう二つの村が襲われてるんだぞ！他の村が襲われてもいいのかよ！！」

勇斗「そんなこと言ってないだろ。ただ、俺は野盗なんか相手にしてても意味ないって言ってるんだ」

その落ち着いた口調が、太智の怒りを更に買っていく。

太智「何だよお前！！これだけ人が犠牲になってるのに、お前は何にも思わないのか！？七つの大罪を見つけたって、その間に野盗に村が襲われたら意味ないだろ！！」

勇斗「ならもっと早く見つければいい」

瑞生「そんな無茶な…」

勇斗「とにかく、野盗は放っておこう。俺たちは七つの大罪を倒すためにここまでやってきたんだ。その使命を全うしよう」

瑞生「えらく悠長なこと言って…君、本当に人を救う気あるのかい？」

勇斗「…」

太智「ホントだよ！なんだかんだ言って、お前は人間相手なんかより、ただ強い奴と戦いたいだけだろ？！魔王に操られてたとか言って、実はあれが本当のお前だったんじゃないのか？！」

太智の言い放ったその言葉に、勇斗は顔色一つ変えない。
それが、太智はますます気に入らない様子だった。

瑞生「勇斗、今回ばかりは僕も太智の意見に賛成だ。このまま黙って他の村が襲われるのを見てるわけにはいかない」

勇斗「お前らが何と言おうと、七つの大罪が優先だ」

太智「…じゃあもういいよ！！！お前みたいなやつ俺たちの仲間にいらない！！！」

舜太「ちょ、ちょっと太智君！！さっきから言い過ぎちゃう？！」

太智「いいんだよ！！もう行こうぜ瑞生！」

瑞生「…う、うん」

太智は無理やり瑞生の服を引っ張ると、勇斗に背を向けて歩き出す。

太智「ほら、舜太も行くぞ！！早いとこ仁人と柔太朗と琉弥も連れて行かないと！！」

舜太「え？そ、そんな…ちょっと…！！」

舜太はおろおろしながら、勇斗と太智の顔を交互に見ている。

勇斗「そんな不安そうな顔すんな…。俺は大丈夫だから、お前は太智の方へ行ってこい…」

勇斗は舜太にそう言うと、少しだけ舜太に微笑みかけ、それ以上何も言わず背中を向けて去っていった。

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