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町中で繰り広げられる野盗と町奉行との戦いは、時間が経つにつれて激しさを増していく。
散り散りに町に駆けて行った勇者たちも、懸命に戦いを止めようと割って入るが、野盗も町奉行も聞く耳など持たない。
どころか、逆に襲われる始末だ。
瑞生「ハァ…ハァ…。駄目だ…。戦いの勢いが…止まらない…。どころか…ひどくなっていく…」
瑞生は、血がにじむ腕を押さえながら物陰に身を潜めていた。
先ほど野盗に切り付けられてできた傷が、ズキズキと痛む。
瑞生「どうする…」
戦いの様子を見ながら、瑞生は策を巡らせていた。
そこへ、背後から誰かの足音が聞こえ、瑞生は急いで身構えた。
太智「ぶはー…」
しかし、そこにいたのは太智だった。
太智も疲れた様子でその場に座り込んだ。
瑞生「太智…！大丈夫かい？」
太智「うん…。でも、どうにもできねえよ、こんなの…」
太智も瑞生と同じように、物陰から戦いの様子を見つめる。
瑞生「いつも馬鹿みたいにうるさいのに、たまにそうやってブルーになるよね、君って」
瑞生は人ごとのように戦いの様子を観察しながらそう言った。
太智「うるさいなぁ…ほっとけよ…。でもどうするんだよ。瑞生にはなんか考えあるのか？」
瑞生「そうだね…。せめて、戦ってるやつらの気を
太智「気を逸らす…」
瑞生のその言葉に、太智は少し考えると、勢いよく立ち上がった。
太智「よし…」
瑞生「太智…？」
太智は小さくうなずくと、物陰から飛び出した。
瑞生「だ、太智？！危ない！！考えもなしに飛び出すな！！」
太智「大丈夫！！俺にとっておきの考えがあるから！！」
瑞生「？！」
太智はそう言うと、戦いの真ん中の方へ駆けだして行ってしまった。
瑞生も、心配になってその後を追う。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月7日 16時
