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瑞生「止めるたってどうやって…」
周りを見渡せば、人間が人間に向かって剣や槍を振りかざし、切り付け、血しぶきが舞っている。
恐怖で泣き叫ぶ町の住人。
逃げ遅れた人が野盗に襲われ、殺されていく。
仁人「とにかく…止めるんだ…!止めないと…」
仁人にも何をどうしていいのかなんてわからない。
勇者の力を使えば、退却させられるか?
いや、自分たちがいなくなれば、また野盗が攻め入ってきて同じことの繰り返しとなるだけだ。
それに、勇斗が言っていたように、人間に対してこの力を使うことは、したくない。
結局人間同士の戦いなんて、人間である自分たちがどうすればいいのかなんてわからない。
でも、指を
仁人は、襲われている逃げ遅れた人々のところへ駆け出し、野盗を後ろから押さえつけた。
瑞生「馬鹿だよ仁人……。そんなんで…この戦いを止められるわけないだろ…!!」
一体、自分たちに今何ができるんだろう。
瑞生も、自分ができることを探して一歩踏み出す。
そして、仁人と同じように別の戦いに割って入っていった。
柔太朗「何かを守るなんて…そんな簡単なことじゃ…ないんだぞ…」
氷の国を背負って立つ、王子柔太朗も、まるで自分の戦ってきた理由を探すように駆け出していく。
勇斗「お前らは、どっか安全なとこで待っててくれ…」
勇斗もそう言って争いの
太智「待てよ…。俺も行く。勇者じゃなくって、人間として」
勇斗「…おう」
勇斗と太智は、舜太と琉弥を安全な場所へ連れていくと、それぞれ別の戦いの中へ割って入っていった。
舜太「俺、こんなん嫌や…どうすればええん…」
琉弥「俺にだって…わからないよ…。でも、俺達にもできることはあるはずだよ…」
舜太「俺達にも、できること…?」
琉弥「俺の力は、人を傷つけるだけじゃない…」
そう言って、自分の手の甲を見つめる。
紫の牛乳瓶が鮮やかに輝いている。
舜太「そっか…。うん、一緒に行こう…!」
琉弥「ありがとう、舜太…!」
物陰から顔を出すと、二人も戦いの中へ身を投じていった。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時