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いつ、誰が建てたのかもわからない東の楽園、デスティニーランドの中央に位置する巨大な城。
約50メートルはあろうかというその城の中腹に、唯一開閉する大きな扉がある。
しかし、その扉は地上からはたどり着くことはできない。
そもそも、空を飛ぶか、城の壁をよじ登る以外に、この扉に辿り着く方法などなく、それ故、今までこの城の中身など誰も知らなかった。
まして、姫が存在するなど、この街の住民ですら知らなかった。
それがあるとき、扉が開き、中からそれは現れた。
それは自分を"ラスト"と名乗った。
そして、今日も同じように城の扉が開かれる。
ラスト「ごきげんよう、愚かな人間ども」
「出たぞ!姫様だ!」
「きゃー!ラスト姫様ー!」
「今日も今日とて美しい…!」
ラストの登場に、園内の観光客や住民は一斉に城を取り囲むように集まった。
老若男女関係なく、その全員が、ラストの姿を見るや否や、歓喜の声をあげている。
太智「あれが姫?!人が多過ぎて見えないよ!!」
人の群れに押され、太智少年はもみくちゃにされていた。
太智「よーっし、こーなったら…」
太智はそう言うと、その場で走るポーズをとった。
その瞬間、太智の体は青い光を纏い、まるで稲妻のように高速で人々の間を縫って進んでいく。
晴天の雑音勇者、太智の勇者としての能力。
それは雷を自在に操る能力だった。
しかし、魔王を倒した彼は、新たな力を得ていたのだ。
それは、自分自身が雷となって、高速移動できる能力。
太智はその能力によって、群衆の最前列に躍り出た。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時