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東の楽園。
それは娯楽施設の集合体であり、他所の土地の観光者による収入で生計を立てる一つの巨大な街であった。
その娯楽施設全体を指す呼び名があり、その名も、"デスティニーランド"。
釣り堀や、釣った魚を自分で料理できるクッキングスペース、牧場、動物園まで、多種多様な施設が並んでいる。
デスティニーランドには、"ミルキーマウス"と呼ばれる超人気キャラクターが存在し、そのキャラクターを見るため、連日多くの観光客でにぎわっていた。
そして、デスティニーランドの真ん中には、巨大な城が建っていた。
「う、うわあ！！！本物のミルキーマウスだ！！！ヒャッフウウウウウー！！！」
その東の楽園に、鮮やかな青いローブを身にまとった一人の少年の姿が。
彼は園内を駆けずり回り、大声ではしゃぎまくる。
そのたびに、雲一つない青空に雷鳴が轟いた。
「なんだ？雨か？」
「こんなに晴れてるのに？」
「しまった…。また雷起こしちゃった…。でも、抑えらんない！！」
彼の名は太智。
魔王を打ち倒した七人の勇者のうちの一人。
彼は雷を自在に操ることができ、気を抜くといつでも彼の周りには雷鳴が響いていた。
太智「ミルキー！！こっち向いて！！」
太智の前には、大きく長い耳を付けたネズミのようなキャラクターが、仲間のキャラクターと一緒に華麗な踊りを踊っている。
この時間になると、このようにキャラクターたちが歌って踊るパレードが開催されるのだ。
太智「んー！最高！村のおっちゃんには感謝しないとな！まさかデスティニーランドのチケットくれるなんて！」
太智は満面の笑みを浮かべ、そのパレードを見て一緒に踊っていた。
「そういえば、今日あの城の姫が戻ってきてるらしいぞ」
「え？じゃあパレードの最後に見られるかな？！」
「かもな！楽しみだ！」
太智「え？！何々？！姫？！」
後ろから聞こえてきた二人の男性の話に、太智は食いついた。
「な、なんだ君」
太智「いいじゃん！教えてよ！姫って何？！」
「あの城の姫さ。最近になってその存在が判明したんだけど、絶世の美女だぞー！見たものは老若男女関係なく、彼女の虜さ」
「それでも滅多に見られないから、もし今日見れたら超ラッキーだぞ！」
太智「へえー！絶世の美女かー！ワクワク！！！」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月9日 17時
