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舜太と呼ばれたその少年は、男が渡してきた料金を甘味処の店主に渡し、店内の席に腰かけた。
店主「ありがとう舜ちゃん、助かるわ」
舜太「うーん、あのおっちゃんホンマに食い逃げしたん？」
店主「そやねん。しかもこの量やで？」
店主が指差した机の上には、山のように皿が積まれていた。
この量を一人で？
にわかには信じられないが…。
舜太「うわー、こりゃまたいっぱい食べはったんやね…」
店主「そやろ？でも食い逃げあったんわ今日だけちゃうんや。昨日もやねん」
舜太「え？！ホンマに？！」
店主「昨日、舜ちゃんバイト休みやったから知らんやろけどな。そん時は別の若い兄ちゃんが食い逃げしてな、結局逃げられてしもてん。でも今日は舜ちゃんがおってくれて、助かったわ」
舜太「そうやったんや…」
店主「そのお客もぎょうさん食べとったなー…。ホンマ、店大赤字やで…」
舜太「じゃあ、俺もできるだけバイト入れるようにするな！」
店主「ホンマか？！助かるわー！舜ちゃんうちの看板イケメンやからな！舜ちゃんおる日は売上も伸びるんよねー！」
舜太「そうなん？！じゃあ、バイト代、上げてもらわんとね！」
店主「はは！こりゃ一本とられたわ！」
「すみませーん」
すると、店に二人の客が入ってきたようだった。
客の一人は、腕を怪我しているのか、左腕を布でぐるぐる巻きにしている。
舜太「はいはーい」
舜太は二人を席に座らせると、お品書きを渡して、注文を聞くために会計漂を取り出した。
舜太「ご注文は何にします？」
客１「うーん、あ！俺、このイチゴのぱふえとかいうやつ！」
客2「では、私はこのレモンけえきというやつをいただけるかな？」
舜太「かしこまりましたー…って、言うか、え？！何でここに？！」
客１「ん？あぁ！！」
客2「君は！！」
舜太「誰かと思ったら、仁人君に勇斗君やん！！」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年8月5日 16時
