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二十三輪 ページ24

その後の帰り道にて。
あ「そう言えば、リナって部活に入ったりしないん?」
『ブカツ?』
稲「放課後にやるクラブ活動だよ。
俺は軽音部で、ALTO君は生徒会執行部。」
あ「生徒会の場合は、厳密に言うと
他の所とはまた違ったりするんやけどね。」
『Oh!クラブ!決めたヨ!
デモ、どうやって入ル?』
そっか。転入生やけん、途中から入部する方法知らんのか。
あ「入部届って言う紙が、それぞれの部活に
配られてるんよ。
高校によって違うとは思うんやけど、
この高校やと部活の顧問…まあ、受け持ちの先生が
その紙を持っとるんよ。
やけん、入りたい部活の顧問の先生に紙を貰って、
必要な事を書いてその先生に返せば、入部出来るばい。」
これでも自分なりに分かりやすくしたつもりや。
稲「リナは、何の部活入るの?」
『Section Art!』
稲「…美術部?」
『Oui!』
あ「そこの顧問は確かブンブン先生やったな。
明日にでも頼みに行こ。
昼休みやったら時間あるやろうし。」
まあ、明日は二日目の水泳大会を
見ないけん事になるやろうしな。
それに、部活に入るんは早めの方が良い。
『D'accord!アルト、イナノ!一緒に来テ!』
あ「私は良かよ。稲野ちゃんは?」
稲「俺も良いよ。明日は早めに飯食い終わっとかねえとな。」
例の分かれ道でリナが稲野ちゃんと
繋いでいた手を離し、何度目かの二人きりになる。
私との手は、まだ繋がれたまま。
あ「…リナ。」
『ナニ?』
あ「何であの時、私を助けてくれたん?
周りに先生いたけん、先生に任しても良かったやろ?」
『…最初、センセに止めらレタ。
<これから泳ぐから、入っちゃダメ>って。
デモそれじゃ、アルト死んジャウ。
そんなのワタシ、絶対イヤ!』
覚えたての言葉や文法を使い、
私にそう訴え掛けてくる彼女を見て、私は嬉しくなった。
『デモアルト、生きテタ!脚も痛くナイ!
んーと…、ワタシ、ホッとシタ!』
あ「リナは本当、命の恩人たい。
私もリナに何かあった時は、真っ先に助けに行くけんな。」
『ワタシ、二回もアルトとイナノに助けられてるネ!』
あ「…ああ、そう言えばそうやね。」
『ワタシ、凄く嬉しカッタ!
二回とも他のクラスメイトは何もしないで見てるだけなノニ、
アルトはセンセとあの子達に言い返してくれて、
イナノはワタシを励ましてクレタ!
今日のアルトも、あの時のワタシと同じダッタ。
だカラ、助けたかったノ。』
告げられた真相に、胸と顔が熱くなる。
そこまで思ってくれとったとは。

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螢羅(K-Ra)(プロフ) - 緑月翡翠さん» いつもありがとうございます!フランス語を取り入れるのは初めてだったのですが、書いていたら楽しくて楽しくて…!毎日更新、出来れば良いんですけどねえ…。貴重なご意見ありがとうございます! (2017年4月20日 7時) (レス) id: 575549c323 (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます!フランスや花言葉は私も大好きで、とても良かったです…!読者としては毎日更新が嬉しいのですが、ご多忙なようなので時間があれば、という形がいいと思います。次作も楽しみにしています!長文失礼しましたm(__)m (2017年4月20日 6時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月3日 20時

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