35ページ From:俺 ページ36
分かっていた事なんだけれど、やはり。
彼女の両側にブンブン先生とセピア先生が並んでおられるのだが、
少しだけ心がむず痒くなった。
生徒とは違って俺と同じ立場にいるからなのかも知れない。
とは言え、ブンブン先生は結婚しておられるし、
セピア先生は俺の様な事はしないだろう。
心配しなくても良い事に対してここまで考えてしまうのは、
俺が理華さんをそんなにも愛しているからか。
それとも単に、俺が子どもっぽいからか。
…両方だな、多分。
俺の思考が彼方から戻る頃には、全ての班が
ホワイトボードに答えを書き終えていた。
昔から何でも考え込み過ぎなんだよね、俺。
テラゾー君が答えを読み上げ、
その度にホール中に一喜一憂の声が響き渡る。
理華さんの班も正解した様で、
それぞれがハイタッチして喜ぶメンバーの
中で一人、彼女のみが拍手をしている。
テ「これで生徒会のレクリエーションは終了します。
皆さんの目覚まし代わりになったなら嬉しいです。
ご協力ありがとうございました。」
テラゾー君の号令の後に、反射的に笑いと拍手が沸き起こる。
盛り上がってたもんね。
主催側から見ても楽しそうだったもの。
マイクが俺に渡る。
や「それでは順に、退室して頂きます。
ここから出た後の十分間は休憩となりますが、
その後にはキャンプファイヤーをしていた広場に集まる様にして下さい。
ではA班の皆さん、退室して下さい。」
開かれたドアに向かって、towaco先生の誘導で最初の班が歩き出した。
生徒会と先生以外の全員がホールから出たのを見届け、
残りのメンツで後片付けをする。
今回は理華さんは手伝いに来ていない。
いや、それが普通なんだけれど。
ALTO君がクジを纏め、ぽずがホワイトボードを消す。
テラゾー君と風紀委員の子が機材を片付けて、
うばまろ君が他の先生方一緒にと床の掃除をした。
あらかた綺麗になった頃、テラゾー君とぽずが話し出す。
ぽ「テラゾー、ここに何か描いてー。」
テ「何かって何。」
ぽ「次にここ使うの、小学校の人らなんでしょ
?
無垢な小学生が、テラゾーが描いたお化けの絵を
見たらどんな反応するのかなって思って。」
なんて事考えてんの。
テ「面白そうだね。何書こっかなー。」
「テラゾーさん、poezさんのお遊びに乗らないで下さい。
作業の邪魔です。」
風紀委員の子が鋭く突っ込みを入れる。
彼女の静かな怒気に、二人はしゅんとして作業の手を進めた。
ALTO君とうばまろ君はその様子に、ただ苦笑していた。
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