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19ページ From:私 ページ20

『…さ、さっきスナザメ君と歩いてた時に、
りんごちゃん先生に、からかわれました…。』
や「…そっか。」
顔を上げると、いつものにこやかなやんわり先生の顔。
『何で、笑ってるんですか…?』
や「いや、そんな事で思い詰めた様な顔してたのかって思ってね。」
『そんな事って…!』
や「決して悪い意味でそう言った訳じゃないよ。
理華さんは、りんごちゃん先生の言葉に
どんな反応をすれば良かったのかが分かんなかったんだよね。」
こくりと頷き、また先生を見る。
や「確かに答えには詰まるよね。
俺と付き合ってるとは言えないし。
…好きな人がいるとは言わなかったの?」
『そこまで、頭が回りませんでした。』
彼が私の頭を優しく撫でる。それに
応える様に、直後に私はその胸に額を付けた。
頭を撫でていた片手は、そっと私の背中に行き場を変える。
や「流石にもう無いとは思うけど、
今度そう言う事を言われたら好きな人がいるとか、
年上の人と付き合ってるって言ってね。
答えとしてはベストだと思うし、何より本当の事だしね。
その相手が俺だって言わない限りは絶対にバレないと思うよ。」
私と同じクラスに属している女子にも、
大学生と恋愛関係にあると言う子はいる。
学生同士なら、確かに違和感は無いのかも。
『…はい。』
彼の胸に顔を埋めたまま、私は言葉少なに返した。

や「そろそろレクリエーションの時間だから、一緒に向かおうか。」
やっと落ち着きを取り戻した所で、彼がそう告げてきた。
ほぼ同時に立ち上がり、彼が外に出ようとした所で。
や「…理華さん。」
『…まだ、足りません。』
彼の服の裾を引っ張り、上目遣いに見つめた。
や「……いつの間にそんな技を覚えたの。じゃあ本当に一瞬だよ。」
そう言ってやんわり先生は私に向き直ると、
触れるだけのキスを私にくれた。
それだけでも充分に満たされる。
こんな時でも私に応えてくれるなんて、本当に良い人だな。
『ふふっ。』
唇が離れて彼の顔を見た途端に、嬉しくなって笑みが零れた。

二人で多目的ホールに着くと、既に殆どの人数が
それぞれ開始までの待機と作業をしていた。
私は他の生徒達と待機し、やんわり先生は他の先生方の作業に加わった。
しおりによると、この三日間の間に
レクリエーションは合計六回行われると言う。
一日に二回ずつ。それぞれ何をするんだろう?
周りの子達は、近くにいる友達同士で話し続けている。
むつー先生がマイクの音量を確かめ、一息吐いてから話し出した。

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月19日 21時

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