18ページ From:俺 ページ19
喫煙所を出て手元の時計を見ると、
先生達との簡易会議の時間が迫っていた。
俺は手持ち用の鞄を見て必要な物が揃っているかを確認すると、
先生達が集まっている筈の部屋に向かって足を進めた。
その途中で、とある光景を目にした。
りんごちゃん先生とスナザメ君、そして理華さんが
何かを話している光景。
一方的にりんごちゃん先生が話している様にも見えるけど、
それより気になったのはスナザメ君が顔を赤らめていると言う事。
俺には隣にいる理華さんも、つられて赤くなっている様に見えた。
君達は一体、彼女に何を言われているの?
どうして二人共、赤くなっているの?
俺は別段焦っている訳では無かったけど、足早にその場を離れた。
それ以上の事など気にしない様にしながら。
もやもやした気持ちを抱えながら、部屋のドアを開ける。
りんごちゃん先生以外の先生方が既に揃っていた。
俺だけのんびりしてしまっていたのかと思うと、
とても申し訳無い思いに駆られる。
うーん、ちょうど良い時間に来られたと思ったのにな。
空いている席に座ろうと思ったら、背中から衝撃が。
り「良かった。やんわり先生、何とか間に合いましたね。」
や「…何で抱き着いてるんですか。」
り「ちょうど目の前に抱き心地の良さそうな腰が見えたから、つい。」
言い回しがアレな意味に聞こえる事には突っ込まない方が良いんだろう。
や「早く座りましょうよ。皆さん待ってますから。」
どうにかその場を制し、改めて席に座る。
彼女の男性教諭に対するスキンシップは見慣れてはいたけれど、
とうとう俺にもその順番が回ってきた様だ。
しかも出先で。
む「では全員揃いましたので、最初の
レクリエーションに向けての会議を始めさせて頂きます。」
今回の行事の責任者であるむつー先生が、会議の始まりの号令を掛けた。
宜しくお願いしますと言う人数分の声が、部屋中に木霊した。
会議が終わり、部屋を出ると。
や「理華さん。」
『…。』
離れた所で理華さんが立っていた。
何故か少し震えている。
や「待っててくれてたの?
…どうしたの?」
俺の問い掛けには頷くが、声を発してくれない。
時計を見る。レクリエーションまではまだ時間があった。
近くには先生方の姿。
や「ちょっと、二人きりになろうか。
ここだと話し辛いよね。」
彼女がまた頷いた。
教諭用のバンガローに移動し、木の椅子に座らせる。
俺がその隣に座ると、体を密着させてくる。
安心したのか、彼女はやっと口を開いてくれた。
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