２５９* 弱音と本音 ページ9
.
撮影を終えて、事務所に戻ってきた
自分が思っているよりも、身体はかなり疲れているようで
この後の打ち合わせ大丈夫かな、と1人頭を抱える
グラグラと揺れる度に頭に痛みが走る
悲鳴を上げかけている身体に鞭を打って、打ち合わせを何とか終えて
一晩過ごしたフリースペースの定位置で資料とパソコンを広げる
関節の痛みもあるし、これは今仕事を終わらせて早急に帰宅するべきだと頭の中で考える
『なんでこんなに苦しいんだろ…』
誰もいないと分かっているからか、
風邪のせいなのか、
きっとずっと心の中にあったであろう言葉がポツリと口に出される
こんな時にならないと、私の本当の感情は出てこないんだな
やりたくてやっているはずの仕事なのに、心の中ではいつからか苦しいと思ってしまっている自分がいたなんて
そんなこと、思いたくないのに
辛いだなんて、そんな弱音、どうして出てくるの
とうに迎えている限界を感じながら、
必死にパソコンに向かっている私
結局いつもより頭が働かなくて時間はかかってしまったけれど
なんとか終わらせられて、
『はぁ…動けない……』
ようやく仕事から解放されたからか、風邪によって重くなった身体はあっという間にソファに沈んでいって
ここ数日の全てを忘れるくらい、真っ白な世界に意識は飛んでいった
.
『身体、重……』
目が覚めて
見慣れた風景が視界に広がっていて驚いた
『…家？』
私の記憶の中には自力で家に帰ったなんてどこにもなくて
誰かが見つけてくれたんだと分かった
身体を動かすとお腹の上に感じる重みに、そこに人がいることに気付く
『蓮くん……』
私の身体の上で静かに寝ていたのは、数日前ケンカしたはずの彼がいて
｢あ、起きた？｣
リビングから様子を見に来たであろう阿部ちゃんが来て
阿部｢体調どう？
少しは楽になった？｣
『うん、ありがとう阿部ちゃん』
阿部｢疲れが溜まってたんだね
昨日事務所で一晩仕事してたんだって？｣
『書類が終わらなくて…
気持ちに余裕が無かったからかな』
阿部｢まだ、仲直り出来てないんだってね｣
『…うん』
阿部｢大丈夫だよ
Aが倒れたって聞いた時、目黒の顔やばかったから
ちゃんと、Aのこと大事に思ってるよ｣
それを聞いて、思わずその幼さを残した寝顔を撫でた
優しいね、ほんと
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4408人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！Twitterの方申請させて頂きました！これからも楽しみにしています。 (2020年4月25日 8時) (
レス) id: 17f502d05d (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎回更新楽しみにしています！番外編すごく読みたいのですがTwitterをやってないのでこちらでも公開してほしいです！お願いします。 (2020年4月25日 7時) (レス) id: cf7a86408c (このIDを非表示/違反報告)
Mii(プロフ) - 初めましてこんばんは。お話一気に読ませていただきました！更新が楽しみです。Twitterもフォローさせていただきました。 (2020年4月24日 20時) (レス) id: 342f91490d (このIDを非表示/違反報告)
眠り姫(プロフ) - こんばんは。こちらでも公開して下さい。ツィッターやってないのて読めません。 (2020年4月24日 19時) (レス) id: 65df8788a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしています！Twitterフォローさせていただきました！ (2020年4月24日 18時) (レス) id: 670ee995ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊 美優
| 作者ホームページ：http:twitter.com/iam_mgr2
作成日時：2020年3月21日 17時
