Toy Box 2 (ページ24)

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DON'T　WANNA　DIE2 ページ24

ｻﾞｧｧｧｧｧｧ…

波の音は大きくなっていく

「きたや…」

『ふ、じが、やぁ……おれ…』

かき消されていく北山の声

「何っ…？」

聞き逃さないように耳を傾ける

その時

『…俺さぁ…藤ヶ谷のこと……好きだったんだぁ…』

聞こえた言葉…

「…っ…」

『でも…俺は…お前と同じ、男で…』

「…」

『メンバーで…』

「…」

『好きになっちゃいけないって…』

「北山っ…」

『苦しくて…だから、諦めようって…なのに……』

苦しそうな声が俺の脳を支配していく

『なんで…なんでなの…？』

それは…

『同じ条件なら…』

北山の

『どうして俺じゃ…ダメだったの…？』

絶望の声だった

ミツっ…！やめろっ…

受話器の向こうから聞こえ出すメンバーの声

どんどん大きくなる波音

「北山っ…！」

視線の先には今にも波に呑まれそうな北山の姿

「待ってっ…」

『藤ヶ谷…』

小さくなっていく北山の声

「やめろっ…」

北山の声をかき消すように、ごぼごぼと水音が大きく鳴って

『バイバイ…』

その声を最後に

北山は悪魔のように姿を変えた波の中に

消えた

波に呑まれる直前

狂ったように海に飛び込むメンバーに気付くそぶりも見せずに

振り返り真っ直ぐに俺を見つめた北山は

微かに笑っているように見えた

END

あけましておめでとうございます。
新年早々暗い話でごめんなさい(笑)
たくさんのアクセスに嬉しいやら怖いやら(笑)
ありがとうございます(*^-^*)
また思いついたら、遊びに来ます。
MISA